福岡県レッドデータブック

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種の解説

改訂版でリストから除外した種

  • スカシエビス Sukashitrochus carinatus (A. Adams, 1862) 環境省・絶滅危惧II類:県内では,宗像市神湊,福津市津屋崎,福岡市志賀島で記録がある。本種は近年も日本各地(石川県,神奈川県,和歌山県,高知県,大分県,佐賀県など)の外洋の砂浜や岩礁域の打ち上げで多くの記録があり,また潮下帯にも広く分布していると考えられるため,絶滅危惧種とは考えにくい。
  • イシマキガイ Clithon retropictus (Martens, 1879) 福岡県2001年・絶滅危惧II類:県内の河川に広く分布しており,個体数も多い。博多湾内にも生息地が存在する。
  • カワグチツボ Iravadia (Fluviocingula) elegantula (A. Adams, 1861)  環境省・準絶滅危惧:県内では北九州市曽根干潟,福岡市和白・御島・今津干潟,有明海の筑後川・沖端川・塩塚川・矢部川各河口に分布し,個体数は多く,有明海では優占種になっている。埋立・水質汚濁などの影響を受けてきた場所にも生息しており,県内では減少傾向は認められない。しかし,全国的には分布は局限的であり,福岡県の生息地保全は重要である。
  • エドガワミズゴマツボ Stenothyra edogawensis (Yokoyama, 1927) 環境省・準絶滅危惧:県内では山国川河口,福岡市奈多・和白・御島・瑞梅寺川河口,筑後川河口などに分布する。和白・御島などの都市部でも豊富に生息し優占種となっており,県内では減少傾向は認められない。しかし,全国的には分布は局限的であり,福岡県の生息地保全は重要である。
  • カワザンショウ Assiminea japonica Martens, 1877 福岡県2001年・準絶滅危惧:県内の河口域・汽水域に広く分布しており,個体数も多い。
  • オオウスイロヘソカドガイ Paludinellassiminea tanegashimae (Pilsbry, 1924) 福岡県2001年・準絶滅危惧:県内では玄界灘沿岸・博多湾湾口部などに分布し,確認地点は多く,個体数も少なくない。人工護岸でも,堆積物帯や隠蔽場所が形成されれば生息する。絶滅のおそれは低いと考えられる。
  • フドロ Strombus robustus G. B. Sowerby II, 1874 環境省・準絶滅危惧:県内では玄界灘・博多湾から,ごく僅かな記録がある(高橋・岡本,1969;魚住,1998)のみで,偶存分布もしくは,もともと生息量の少ない分布パターンを示していると考えられるため,対象外とした。
  • ムシロガイ Niotha livescens (Philippi, 1849)  環境省・準絶滅危惧:県内では周防灘・響灘・玄界灘・博多湾に分布し,生息地は多く,個体数も多い。博多湾奥部の人工海浜にも多産する。本種は九州では,各地の内湾の干潟から潮下帯に普通にみられ,特に水深数mの潮下帯域では多産することが多い。また,外洋域の砂底にも生息する。少なくとも九州地方では,絶滅のおそれのある種とは考えにくい。
  • ヒガタヨコイトカケギリ Cingulina cf. cingulata (Dunker, 1860) 環境省・情報不足:県内では周防灘,博多湾に分布し,和白周辺の博多湾東部海域では多産する。本種は日本本土の内湾域にかなり普通にみられるため,今回は対象外とした。
  • インドヒラマキ Indoplanorbis exustus (Deshayes, 1832)  福岡県2001年・絶滅危惧I類:比較的新しい時代の国外からの移入種であり,レッドリストの対象外である。
  • ダイミョウガイ Pharaonella perna (Spengler, 1798)  環境省・準絶滅危惧:県内では宗像市神湊で記録されている(高橋・岡本,1969)。本種は熱帯性種であるが,玄界灘・響灘沿岸の外洋域浅海で稀に生息がみられる。分布の北限域で,もともと生息量の少ない分布パターンを示していると考えられるため,対象外とした。
  • ナミノコガイ Donax (Latona) cuneatus Linnaeus, 1758 環境省・準絶滅危惧:県内の玄界灘・響灘沿岸の砂浜に広く生息し,ほとんどの場所で多産する。津屋崎・福間海岸では,1980年代以前よりも明らかに増加している。県内では減少傾向になく,絶滅のおそれがあるとはいえない。しかし,全国的には分布は限定的で,砂浜環境の悪化により個体群が衰退している地域もあり,福岡県の生息地保全は重要である。
  • アシベマスオ Soletellina petalina (Deshayes, 1855)  環境省・情報不足:県内では玄界灘沿岸で生息が確認されている。明らかに近年になって,国内に分布を拡大した種と考えられ,国外の広い分布から考慮しても,現状ではレッドリストの対象種になり得ないと考えられる。
  • ウネナシトマヤガイ Trapezium (Neotrapezium) liratum (Reeve, 1843)  環境省・準絶滅危惧:県内では,周防灘・洞海湾・博多湾・有明海などに分布し,多産する。絶滅のおそれがあるとはいえない。
  • クチバガイ Coecella chinensis Deshayes, 1855 環境省・準絶滅危惧:県内では,周防灘・響灘・玄界灘・博多湾の各地に個体群がある。埋立・護岸などで消滅した産地もあるが,現在も生息地が多く,絶滅のおそれがあるとはいえない。
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