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連載

食中毒を起こす細菌たち -海にいる食中毒細菌-(2)

食中毒細菌のすみかは、動物、海、土に大きく分けられます。海にいる食中毒細菌は、腸炎ビブリオ、コレラ菌、ナグビブリオ、ビブリオ・フルビアリス、ビブリオ・ミミカス、ビブリオ・バルニフィカスなどビブリオ属に分類されます。コレラ菌、ナグビブリオ、ビブリオ・ミミカスは、発育に食塩が必須ではなく河川や海に近い河口付近に生息しています。日本ではこれらの細菌による食中毒の発生は多くありませんが、東南アジアなどの海外での発生は多く、海外旅行や輸入魚介類の摂食により発生しているケースが多くあります。一方、腸炎ビブリオ、ビブリオ・バルニフィカス、ビブリオ・フルビアリスは、3%前後の食塩濃度で良く発育するため「好塩性細菌」あるいは「海水細菌」とも呼ばれ、海水温度が15℃を超えると海水あるいは海水プランクトン中で旺盛に増殖をはじめます、私たちは多くの海産物を摂取し、しかも生食を好みます。腸炎ビブリオは魚介類に付着し、夏季の高い室温で他の細菌より早い速度で増殖します。これらのことから日本では夏季に腸炎ビブリオ食中毒が多く発生します。また、ビブリオ・バルニフィカスやビブリオ・フルビアリスの食中毒は多くありませんが、近年ビブリオ・バルニフィカス食中毒による死亡例がしばしば報告されています。ビブリオ・バルニフィカスに汚染された食品を健康な人が食べてもほとんど問題がありませんが、肝臓に疾患のある人や鉄欠乏貧血などで鉄剤を服用している人などが食べた場合、感染する可能性が高いと言われています。いずれにしても、魚介類の表面にはこれらの食中毒細菌が付着していることを認識し、よく水道水で洗浄し調理後直ちに食べることが食中毒予防のカギとなります。

腸炎ビブリオ写真
TCBS寒天上の腸炎ビブリオ

腸炎ビブリオの増殖速度腸炎ビブリオの増殖速度

ビブリオ・バルニフィカス写真
ビブリオ・バルニフィカス
(産業医科大学微生物学教室提供)