各国で様々なアオコ対策の取り組みがなされている。もっとも分かりやすいのは吸引や捕集に
より水表面のアオコを回収する方法である。広大な湖面に対しては労多くして効が少ない。
中国などでも回収船を使用しているが,ほとんど効果を上げていないようであった。
一方,硫酸銅や界面活性剤などの殺藻剤を散布する方法も広く行われている。この方法は比較
的制御が容易で結果も分かりやすい反面,大量に化学物質を散布することにより周辺生態系への
影響も懸念されるし,水利用の観点からもあまり多用できない。
この他,紫外線や超音波,発泡等の物理的効果によりアオコを抑制,破壊していく方法もある
が,効果の有効範囲は限定的であると考えられる。
研究的には,抽水植物や水生植物から放出されるアレロパシー効果物質やウイルスや細菌を活
用した手法も報告されている。
本質的な水環境の面から考えると,アオコ及びミクロシスチンの問題は,すなわち湖沼の富栄
養化問題に行き着く。この富栄養化問題の解決には,流入水(流入負荷量)に対する対策と底質
からの栄養塩対策,さらに滞留時間を必要以上に大きくしないなど水源管理対策も重要となるこ
とから,各関係機関との連携と息の長い対策が必要だと考えられる。
植物を利用した水浄化対策
(中国雲南省昆明にて)
アオコ回収船による対策
(中国雲南省昆明にて)