福岡県保健環境研究所
Fukuoka Institute of Health and Environmental Sciences
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漂着ごみ組成調査を実施します 環境科学部 廃棄物課 専門研究員 板垣成泰

漂着ごみについて

 漂着ごみとは、海岸に漂着し、散乱しているごみその他の汚物又は不要物のことを言います。 本県においては、日本海に面した海岸を中心に、海外から流れてくるプラスチックごみやポリ タンク等が多く確認されています。
 一方で、バーベキューやフィッシングなどの海辺でのレジャー・レクリエーションに伴って 発生したごみのほか、街中のポイ捨てなど陸域で発生したごみが河川その他の公共水域を経由 して海へ流れ出たものも多く確認されています。また、台風や大雨などで流れ着いた自然由来 の流木などもあります。

山や川などで発生する自然ごみ  暮らしの中で発生する生活ごみ
海岸の利用に伴い発生するごみ  船や外国など他地域からのごみ

海ごみの影響

 漂着ごみの他に海に流れ出たごみ(漂流ごみおよび海底ごみ)を合わせた海ごみによって、 様々な影響が発生します。
景色 美しい海岸が損なわれるとともに、危険なごみによって怪我をする可能性があります。
経済 海水浴、観光客および漁業への影響が発生する可能性があります。
生物 釣り糸が動物などに巻き付く、海洋生物がごみを誤飲するなど生物への影響が考えられます。 また、紫外線や波の力などで細かく砕け、マイクロプラスチックになると回収が困難になります。

福岡県の取組みについて

 本県では、「海岸漂着物処理推進法[1]」及び「国の基本方針 [2]」に基づき、海岸漂着物対策を総合的かつ効果的に推進する ため、平成24年3月に「福岡県海岸漂着物対策地域計画(以降、“地域計画”と略称)」を策定 しました[3]。この地域計画に基づき、海岸漂着物等の実態把握 および海岸漂着物等の発生抑制に係る普及啓発など海岸漂着物対策に取り組んでいます。
写真1 写真2
写真 スポーツGOMI拾いのイベント広報を通じて、清掃活動への関心と 海岸漂着物を中心とした意識啓発を行っています[4]

漂着ごみ組成調査の実施について

 当研究所では、漂着ごみの実態把握および今後の漂着ごみ発生抑制を効果的に実施するための 基礎データを得ることを目的として、令和2年度に漂着ごみの組成および存在量の調査を計画して います。この調査は、環境省の海岸漂着物等地域対策推進事業の一環として、地域計画に基づき、 玄界灘に面する海岸のうち漂着ごみが多く、且つ清掃の頻度が低い地点において、国のガイド ライン[5]に準じて実施する予定です。
 この調査により、本県の海岸の良好な景観、多様な生物の保全、生活環境の確保等総合的な 海岸環境の保全のため、漂着ごみ対策に取り組んでまいります。

調査範囲
図 調査範囲 地方公共団体向け漂着ごみ組成調査ガイドライン引用


参考資料

[1] 美しく豊かな自然を保護するための海岸における 良好な景観及び環境の保全に係る 海岸漂着物等の処理等の推進に関する法律(平成21年法律第82号)
[2] 海岸漂着物対策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針(平成22年3月30日 閣議決定)
[3] 福岡県海岸漂着物対策地域計画について 福岡県海岸漂着物対策地域計画 (平成28年3月改訂)
     https://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/kaiganchiikikeikaku.html
[4] 海ごみ発生抑制に係る啓発パンフレット
     https://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/kaiganhyoutyakubutsutou.html
[5] 地方公共団体向け漂着ごみ組成調査ガイドライン(令和2年6月 第2版)


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