福岡県感染症発生動向調査情報

第2週分(1月10日〜1月16日)

インフルエンザ(発生状況・流行)

第2週の感染症発生動向調査情報では、インフルエンザの報告が増えています。そこで、今週は、流行が予想されるインフルエンザについてお話します。

1月14日に県内で、この冬初めて行橋市の小学校からインフルエンザ様疾患による学級閉鎖の報告がありました。例年、冬休み明けの1月中旬(第2週頃)から学級閉鎖に伴う患者数が急増する傾向にあります。1月8日までの全国情報を集計した厚生省の「インフルエンザ様疾患発生報告」によれば、この冬のウイルスの検出状況はAソ連型が6つの県から、A香港型は5つの県から検出されています。また、患者数は16,781人となっています。

福岡県での発生状況は、グラフのように例年12月から患者が増加し1月〜2月にピークを迎えます。また、感染症発生動向調査情報による1月16日までのウイルスの検出状況はAソ連型、A香港型、B型が検出されています。最近の流行の主流はA香港型で、昨冬はA型とB型の混合流行になりました。複数の型が流行すると1回かかった人でも再びかかることがあるので油断しないようにしましょう。

インフルエンザの流行が始まると爆発的に感染が広がることがあるのはなぜでしょうか?それは、インフルエンザウイルスが空気感染するからです。患者の咳、くしゃみなどの際に排出されたウイルスは、粒子として空中に漂います。このウイルスを含んだ粒子を吸い込むと気管などの細胞に吸着したウイルスは細胞内に取り込まれ増殖が始まります。ウイルスの増殖力は非常に強く、数日以内に細胞は広範囲に破壊されます。これが、高熱などの症状の原因となります。細胞が完全に再生し、気道が元の正常な状態に戻るまで1ヶ月はかかるといわれています。

このように、インフルエンザの感染は起こりますので流行時には人混みのへの外出はできるだけ控え、疲れているときや睡眠不足の時など体力が落ちている時は、インフルエンザにかかりやすい状態になっているため無理に外出するのは避けましょう。

また、インフルエンザにかかったら、早めに医療機関の受診して治療を受け、安静にして休養を取りましょう。