福岡県感染症発生動向調査情報

第8週分(2月21日〜2月27日)

C型肝炎

第8週の感染症発生動向調査情報では、インフルエンザは前週比52%と半減しており、感染性胃腸炎は増加しています。

今週は、先週のA型肝炎に続いてC型肝炎についてお話しします。

C型肝炎は、多くが慢性肝炎に移行し、肝硬変から肝がんに進展する恐れのある感染症で、わが国には約200万人の感染者がいると推定されています。原因となるC型肝炎ウイルスは血液を介して感染し、その多くは輸血などによる感染とされています。

肝がんによる死亡者数は、わが国の平成10年のがん死亡のうち、肺がん、胃がんに次ぐ第3位の約3万3千人となっており、肝がんの8割はC型肝炎が原因と言われています。肝がんによる死亡率は、西日本に高いという地域的な傾向があり、平成10年は福岡県が全国第1位になっています。

肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるように、症状が出ず感染に気づかないまま慢性肝炎へ移行し、症状が現れた頃には既に重症化していることが多い臓器です。そのため、早期に発見して早期にインターフェロンなどの適切な治療を行うことが大切ですが、C型肝炎に対するインターフェロン治療には、有効性や副作用に問題があるため、保険適用には投与期間が半年間に限られるなどの制限があります。しかし、半年を超えた投与が有効な場合もあることや、肝がんへの進行を遅らせる効果も期待できることなどを受けて、厚生省は、条件付きでもう半年間の再投与を認める方針で、中央社会保険医療協議会に諮問したところです。

そこで福岡県では、肝がんの予防と治療に関する正しい知識の普及のため、「肝がん撲滅を目指して−福岡県から肝がんをなくそう−」をテーマに、3月18日(土)午後1時30分から、福岡市天神のイムズホールで福岡県肝がんシンポジウム(共催:福岡県医師会)を開催します。参加は無料ですが、入場券が必要です。3月8日までにはがきかFAXで、住所・氏名・電話番号を書いて〒812-8551 福岡市博多区博多駅南2-9-30 福岡県医師会(FAX092-411-6858)までお申し込みください。