福岡県感染症発生動向調査情報

第11週分(3月13日〜3月19日)

急性アルコール中毒

第11週の感染症発生動向調査情報では、感染性胃腸炎がわずかに減少して、流行性耳下腺炎がやや増加しています。

さて、3月下旬から4月にかけては、お花見のほか、送別会、歓迎会などでお酒を飲む機会も多くなります。

そこで今回は急性アルコール中毒についてお話します。

ふつう飲酒してから血中アルコール濃度が最高に達するまでには、30〜60分ほどかかります。アルコールは脳の働きを一時的に低下させ、とくに理性や判断力を低下させます。

ところが、大量のアルコールを一度の摂取すると、血中アルコール濃度が急激に上昇し、一気に「泥酔」、「昏睡」状態になり、呼吸困難など危険な状態を引き起こすことがあります。体重60キロの人が酒(15度)1リットルを一気に飲のむと、このような状態になるといわれています。また、血中アルコール濃度が0.4%以上になると、その半数が飲酒後1〜2時間で死亡しています。このような危険な状態が急性アルコール中毒です。

アルコールを代謝する能力には個人差が大きく、中にはまったくアルコールが飲めない人もいますので、そのような人にお酒を勧めるのは危険です。お酒は適量を心がけ、各人が自分に合ったお酒の飲み方をすることが大切です。

もし、お酒を飲んでいてこのような状態になった人がいた場合には、のどや口に詰まったものを取り除き、顔と体を横向きにして吐物でのどが詰まらないようにして気道の確保をしたうえで、すぐに救急車を呼ぶことが必要です。

近年は、20代や未成年者が急性アルコール中毒で医療機関へ搬送されるケースの増加が目立ち、死亡する人も増加傾向にあります。

急性アルコール中毒を防止するためにも、非常に危険な「イッキ飲み」は絶対にやめるとともに、他人に「イッキ飲み」を強要することも同様に危険ですので、絶対にやめましょう。

また未成年者の場合は、飲酒が法律で禁じられているだけでなく、成人に比べてアルコールを代謝する能力が低く、脳神経などの体への影響も大きいため、飲酒そのものが危険な行為ですので、絶対に飲酒はしてはいけません。