福岡県感染症発生動向調査情報

第20週分(平成12年5月15日〜5月21日)

伝染性紅斑

今年第20週の感染症発生動向調査情報では、先週に引き続き感染性胃腸炎の報告が最も多く、先週の115%ですが、3歳以下の割合は減少してきました。水痘は減少していますが、A群溶レン菌感染症は増加しています。手足口病が増加し、髄膜炎合併の報告もあり注意が必要です。

今週は、伝染性紅斑についてお話します。この病気は別名りんご病ともいわれ、両側の頬に紅斑が見られるのが特徴です。ヒトパルボウイルスB19の感染により起こります。 福岡県においては平成3〜4年と平成7〜8年にかけて流行があり4〜5年ごとに流行するといわれています。

感染経路としては、のどの分泌物による飛沫や接触によるものだと考えられています。

感染してから紅斑が見られるまでの期間は約2〜3週間で、紅斑が見られる直前が最も感染力が強い時期です。

症状としては、頬の紅斑以外に体の中心部分から手足に広がるレース様の紅斑が見られ、これらは1週間〜10日程度で消失します。紅斑が現れる前に20〜30%の人に軽度の発熱が見られることがあります。また、関節痛を伴う場合もあります。

まれに、再生不良性貧血などを引き起こすことがあり、また、妊婦が感染すると胎児に貧血や、発育の遅れ、流産、胎児水腫などを引き起こす場合があります。

そのため、貧血がある人や、今まで伝染性紅斑にかかったことのない(気がつかないうちに病気にかかった、いわゆる不顕性感染は、この病気では成人の60%といわれています)妊婦は、伝染性紅斑の患者との接触を避けましょう。