福岡県感染症発生動向調査情報

第23週分(平成12年6月5日〜6月11日)

ヘルパンギーナ

今年第23週の感染症発生動向調査情報では、感染性胃腸炎が最も多くなっていますが、前週の82%とさらに減少しています。手足口病がさらに増加し、無菌性髄膜炎合併の報告はありますが、脳炎の合併報告はありません。また、ヘルパンギーナも増加しています。

今週はヘルパンギーナについてお話しします。ヘルパンギーナはコクサッキーウイルスで起こる病気で、手足口病を起こすウイルスも同じ仲間に入ります。

これは毎年夏に流行し、患者の約8割は4歳以下で、乳幼児に多くみられる病気です。

潜伏期は3〜5日で、急に熱が出て、口の中やのどに直径1〜2mmの小さな水疱(すいほう)を伴った灰色の湿疹(しっしん)ができます。これは4〜6日続きますが、手足口病と違って、頬の内側や歯ぐきや舌にはできません。

重症例や死亡例はないといわれていますが、急な発熱のために患者の約5%に熱性けいれんが起こるといわれています。

コクサッキーウイルスは、腸の中で増えるウイルスなので、患者ののどから出された分泌物以外に、便にもウイルスが多く含まれており、これらに触れることによって感染します。

また、症状がおさまっても数週間は便の中にウイルスが出ることがありますので、排便後や食事を作る時や食べる前の手洗い、うがいなどを心がけましょう。