今年第27週の感染症発生動向調査情報では、手足口病は全国的的に増加中です。
また、ヘルパンギーナも、増加しています。
夏休みも近づき、海外に旅行を予定されている方もおられると思いますが、今週は輸入感染症のひとつであるコレラについてお話しします。
コレラはコレラ菌で起こる病気で、もともとインドのベンガル地方で流行していましたが、 19世紀以降、何度も世界的大流行を起こしています。日本では、1970年代後半から増加傾向を示し、集団感染も時々報告されています。
コレラは、患者の便や吐物に汚染された水や食物を摂取することによって、感染します。潜伏期は、数時間〜5日間で通常2、3日です
突然発病し、発熱や腹痛を伴わない激しい水様性の下痢が起こり(しだいに、米のとぎ汁のような下痢になる)、その後嘔吐が始まります。下痢が続くと、脱水となり、眼が落ちくぼむ、視点が定まらない、声がしわがれる、尿がでなくなる、足の筋肉の痛みを訴えるようになります。
脱水の治療として輸液を行い、便の中にコレラ菌が出てくる期間を短くするために、抗菌剤を使います。
周囲に感染させるおそれがある時期は、主要な症状がおさまって、2〜3日間で、この間は便の中にコレラ菌が排泄されるので注意が必要です。
感染予防のためには、排便後や調理や食事の前の手洗いが大切です。また、糞便の衛生的な処理、給水施設の衛生管理、ハエの駆除やネズミ対策の実施も必要な場合があります。
コレラの流行地に旅行する場合は、安全な水を飲む、十分加熱されて調理してから時間のたっていない食物をとる、手洗いをするなどを心がけましょう。また、帰国時、下痢などの症状があった場合は検疫所で申告をし、すぐに医療機関を受診し、検査・治療を受けましょう。
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