福岡県感染症発生動向調査情報

第30週分(平成12年7月24日〜7月30日)

マイコプラズマ肺炎

今年第30週の感染症発生動向調査情報では、手足口病は全国的に減少し、福岡県でも引き続き減少しています。また、ヘルパンギーナも減少しています。

今週はマイコプラズマ肺炎についてお話します。この病気は肺炎マイコプラズマという病原体の感染によって起こりますが、以前は4年ごとオリンピックの年に流行するとされていましたが、最近はそのような周期性は見られなくなっています。季節的には夏の終わりから秋にかけて発生が見られますので、これから注意が必要です。

2〜3週間の潜伏期のあとに、発熱、頭痛、倦怠感、咳などの症状が見られ、のどから気管支へと炎症が進み、肺炎が起こります。それに伴い咳は次第に激しくなり、他の症状が消失したあとに数週間も続くことがあります。

患者の鼻やのどからの分泌物に直接触れたり、飛沫を吸い込だりすることによって感染が起こりますが、発病前1週間〜発病後10日程度が感染力がある期間といわれています。しかし、咳が長引く場合はさらに数週間肺炎マイコプラズマを排出することがあります。

予後は、比較的よい病気ですが、呼吸器以外に発疹、神経炎、心筋炎などの合併症が見られる場合があり、大人よりも小児に見られることが多いので注意が必要です。

治療としては、エリスロマイシンやテトラサイクリンなどの抗菌剤が使われますが、症状がおさまっても、肺炎マイコプラズマは体内にとどまっているため、自己判断で薬をやめたりせずに、医師の処方に従って7〜10日程度は薬を飲みましょう。