福岡県感染症発生動向調査情報

第42週分(平成12年10月16日〜10月22日)

インフルエンザ(予防接種)

今年第42週の感染症発生動向調査情報では、水痘、流行性耳下腺炎、流行性角結膜炎、マイコプラズマ肺炎などの発生が続いています。

今週から、インフルエンザについて何回かに分けてお話ししたいと思います。

インフルエンザの原因は、インフルエンザウイルスという病原体で、A,B,Cの3つの型があります。現在、主に流行しているのはA型のソ連型(A/H1N1)と香港型(A/H3N2)およびB型です。毎年、年末から翌年3月にかけて流行します。

感染予防のためには、流行時期にはできるだけ人ごみの多いところには出歩かない、室内の換気や加湿を行うことも必要ですが、インフルエンザワクチンの予防接種は、有効な手段の一つだといわれています。

日本では、1962年(昭和37年)からワクチン接種が実用化され、1980年代半ばまでは接種率は60%程度でしたが、次第に接種率が低下し、1990年代に入ると接種率は20%程度まで低下しました。そして1994年(平成6年)の予防接種法の改正によって対象疾患でなくなり、任意接種となりました。

しかし、その後インフルエンザの流行や、合併症による死亡(高齢者の場合は肺炎、小児の場合は脳炎・脳症)が問題となり、予防接種法の見直しが行われ、来年度以降の改正が検討されています。それによると、インフルエンザを予防接種法の対象疾患とし、高齢者については、接種費用の一部負担や予防接種による健康被害の救済が受けられるなどが考えられています。

昨年は多くの人がインフルエンザの予防接種を希望したために、接種できる医療機関が見つからないなどの相談が保健所などに多数寄せられましたが、今年は昨年の約2倍の量のインフルエンザワクチンが作られる予定になっています。

また、これまではすべての年齢でワクチンは2回接種するようになっていましたが、今年から13歳以上の場合は1回又は2回の接種でいいことになりました。(13歳未満の場合は、これまでどおり2回接種が必要です。)