福岡県感染症発生動向調査情報

第5週分(平成13年1月29日〜2月4日)

かぜ症候群

今年第5週の感染症発生動向調査情報では、インフルエンザの報告は231件で、徐々に増加していますが、昨年より少なくなっています。学級閉鎖も散発的にみられており、その学級の患者からはインフルエンザB型ウイルスが検出されました。

今週は、かぜ症候群についてお話しします。

かぜ症候群とは、鼻みず、鼻づまりをはじめのどの痛み、咳、痰等の症状とともに、発熱、全身のだるさ、筋肉や関節の痛みなどの症状を伴う、急性の呼吸器の病気の総称です。普通のかぜ(普通感冒)やインフルエンザも、かぜ症候群の中に含まれており、さまざまなウイルスや細菌などが原因となります。

原因によって流行する季節に特徴があるものがあり、インフルエンザは冬に流行しますが、咽頭炎の原因となるアデノウイルスなどによるかぜは夏に流行します。

症状は、先ほど述べたとおりですが、原因によって主要症状に違いがみられます。

インフルエンザでは、発熱、筋肉痛や関節痛などの全身症状が強く、普通感冒では、鼻みず、鼻づまりなどの鼻炎症状が主にみられます。

かぜ症候群の治療としては、インフルエンザなど一部のもの以外は、病気の原因に直接作用する薬はほとんどないため、まず、安静にすること、発熱や発汗によっておこる脱水に注意し十分水分を補給すること、消化がよいものを摂ることやビタミンCなどを補給することなどが必要です。そのうえで、鼻みずや発熱、咳などの症状にきく治療が行われます。ほどんどは1週間以内によくなります。

かぜ症候群の予防のためには、まず、バランスのよい食事と十分な睡眠をとり、過労を避け、体力と免疫力を低下させないようにすることです。また、人ごみを避けること、外出から戻った際などは、うがいや手洗いを励行することなど基本的な予防行動が大切です。