福岡県感染症発生動向調査情報

第6週分(平成13年2月5日〜2月11日)

風しん

今年第6週の感染症発生動向調査情報では、インフルエンザの報告は316件で、徐々に増加していますが、昨年より少なくなっています。

今週は、風しんについてお話しします。

風しんの原因は、風しんウイルスで、3〜10年の不規則な間隔で流行するとされています。早春から初夏にかけて流行がみられます。

風しんウイルスは、患者さんの鼻やのどの分泌物の中に含まれており、接触や飛沫を吸い込むことにより感染が起こります。

潜伏期は、2〜3週間で、その後、直径2〜5mmで少しかゆみを伴った赤い発疹が、顔や首から出始め、胴体や手足に広がります。これは3〜5日で、あとを残さずに消えます。この発疹と同時に発熱が1〜3日程度みられることがあります。

また、発疹が出る4日前ごろから、首や耳の後ろのリンパ節が腫れ痛みを伴います。

風しんは、一度感染して免疫ができると、通常は再度発病することはないといわれていますが、注意が必要なのは、風しんに対する免疫(抗体)がない母親が、妊娠初期に感染すると子どもが先天性風しん症候群にかかることがあることです。

先天性風しん症候群では、子どもに白内障、心疾患、難聴などがみられます。

妊娠を希望していて、過去に風しんワクチンを接種していない場合は、血液の検査(抗体検査)を受け、十分抗体ができていない場合は、風しんワクチンを接種することが勧められています。また、ワクチン接種後2〜3か月は妊娠を避けることが必要です。

風しんの定期の予防接種は、以前は中学生女子に対して実施されてきましたが、1995年(平成7年)4月1日以降、生後12〜90か月の子どもが対象となっています。ただし経過措置として、2003年(平成15年)9月30日までは、12歳以上15歳以下の男女に接種を実施するようになっています。