福岡県感染症発生動向調査情報

第10週分(平成13年3月5日〜3月11日)

DPT及びDTワクチンの予防接種(三種混合、二種混合)

今年第10週の感染症発生動向調査情報では、インフルエンザの報告は1,092件で、増加傾向は鈍化しています。報告数が最も多い感染性胃腸炎も先週の約7割に減少しています。今週は、三種混合(DPT)及び二種混合(DT)ワクチンの予防接種についてお話しします。

三種混合ワクチンは、D(ジフテリア)、P(百日咳)、T(破傷風)の三種、二種混合ワクチンはD(ジフテリア)、T(破傷風)の二種のワクチンです。いずれも予防接種法に定められた定期接種です。

一般的には、乳幼児期(生後3〜90か月まで)にDPTワクチンを一期として初回3回、追加1回の計4回接種し、11、12歳で2期としてDTワクチンを1回接種します。

乳幼児期のDPTワクチン接種は、初回接種を生後3か月から12か月までに受けることが勧められていますが、これは6か月未満の乳幼児が百日咳にかかった場合、 ひどい咳のため呼吸ができなくなったり、けいれんや意識障害を起こすことがあるからです。

福岡県においては、1990年(平成2年)から1993年(平成5年)にかけて、百日咳の流行が見られました。

現在、予防接種後に健康障害が生じた場合に、それを診察した医師は市町村長に副反応報告書を出し、それが厚生労働省まで報告されるしくみになっています。

DPT及びDTワクチンでよくみられる副反応としては、接種したところが赤くなったり、はれたりすることがあります。これは通常3〜4日でよくなります。

接種するところは上腕の上から3分の1あたりですが、接種したところが肘を越えるほど赤くなったり、はれたりすることは通常見られない副反応です。これは、1万回の接種に約1回の割合で起こるといわれています。

このような通常見られない副反応が見られた場合は、すぐに医療機関で治療を受け、また、それ以後に同じワクチンの接種を予定している場合は、 予防接種の専門医に相談して行いましょう。