福岡県感染症発生動向調査情報

第15週分(平成13年4月9日〜4月15日)

手足口病

今年第15週の感染症発生動向調査情報では、感染性胃腸炎、伝染紅斑、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)の報告数は減少していますが、手足口病、水痘(みずぼうそう)、麻しん報告数は増加しています。このうち手足口病は、平成13年第1週から第15週までの報告数は、過去3年間の中で最も多くなっています。この病気は過去10年間では、平成2年と平成7年に流行が見られており5〜6年の周期で流行していることを考えると、今年は流行が予測されます。

手足口病の原因は、エンテロウイルス71型、コクサッキーウイルスA16型、A10等のウイルスです。症状としては、手のひら、足のうら、口唇、頬の内側、舌などに5ミリ前後の水疱ができます。患者の約9割は4歳以下の乳幼児です。

潜伏期は3〜5日で、38度以上の発熱が見られる場合もありますが、ほとんどが1週間程度で治ります。まれに無菌性髄膜炎や脳炎などの合併症を起こす場合があり、水疱がではじめ2〜3日ごろに、急に元気がなくなり刺激に過敏になる、頭痛、嘔吐や2日以上続く高熱が出るなどの症状がみられたときは、すぐに医療機関を受診しましょう。

また、口の中の粘膜などに水泡ができ、それが破れると強い痛みを伴うために、食事が充分にとれず、脱水を起こすことがあります。この様な時は、刺激が少なく、くちあたりのやわらかい食べ物や飲み物を取り、脱水にならないように気をつけましょう。

感染経路としては、口の中の病変からの空気感染、便からの経口感染、水疱の内容物との接触によるものがあり、症状がおさまってもウイルスは、口の中の病変から1〜2週間、糞便からは3〜5週間と、比較的長い間排出されますので、水疱との接触後、排便後、おむつ交換後、また、食事や調理前には十分手洗いすることを心がけましょう。