福岡県感染症発生動向調査情報

第16週分(平成13年4月16日〜4月22日)

流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)

今年第16週の感染症発生動向調査情報では、感染性胃腸炎の報告が最も多くなっていますが、先週よりは減少しています。昨年の同時期と比較して、手足口病、伝染性紅斑、麻しん、流行性耳下腺炎の報告が多くなっています。今週は流行性耳下腺炎の流行状況についてお話しします。

流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)は、ムンプスウイルスによって起こる病気で、3〜6歳くらいによくみられます。福岡県では平成元年、6年、9年に流行が見られていますが、今年の第1週〜第16週までの報告数は、昨年の6倍にもなっており、今年は流行の年にあたると思われます。

流行性耳下腺炎は、単に耳下腺が腫れるだけでなく、いろいろな合併症を起こし、1〜10%の人に無菌性髄膜炎が起こります。思春期以降では、精巣炎、卵巣炎、膵炎や関節炎などを起こすことがあります。

症状としては、2〜3週間の潜伏期のあと、発熱やからだのだるさなどの症状に続いて、耳下腺の腫れがみられます。発熱と、耳下腺の腫れや痛みのために、食欲が落ちて脱水を起こしやすくなりますので、水分の補給を心がけましょう。耳下腺の腫れのほかに、頭痛、嘔吐、けいれんなどが見られた場合は、無菌性髄膜炎を起こしている可能性が強いので、医療機関を受診しましょう。無菌性髄膜炎の予防のためには、安静が必要です。

また、流行性耳下腺炎の感染力は強く、患者の唾液に触れる、または吸い込むことによって感染します。登校や通園などは、耳下腺の腫れがおさまってからにしましょう。