福岡県感染症発生動向調査情報

第18週分(平成14年4月30日〜5月6日)

水痘(水ぼうそう)

今年第18週の感染症発生動向調査情報では、全般的に報告数は減少しており、ゴールデンウイークの影響と考えられます。その中でも、麻しんの報告数は増加しており、引き続き注意が必要です。今週は、水痘(みずぼうそう)についてお話しします。

水痘(みずぼうそう)は、平成12年には5〜6月(第18週〜第26週)にかけて報告数が多く、7〜10月にかけては減少していました。しかし、11月から増加し始め、平成13年の1〜4月は昨年の同時期よりやや報告数が多くなっています。昨年の状況から判断すると、水痘がこれから流行することが予測され、今後注意が必要です。

水痘は、水痘帯状疱疹(すいとうたいじょうほうしん)ウイルスによって起こります。

患者の約8割は5歳以下の子どもですが、大人がかかった場合、子どもより症状が重いことが多く、体の抵抗力が著しく低下している場合は、脳炎や肺炎を合併し生命にかかわることもあります。

症状としては、胴体に近いところから、赤い発疹ができ、その中央に数ミリの水疱ができます。これがかさぶたになるまで1週間ぐらいかかります。38度程度の熱がでることもありますが、ほとんどが数日でおさまります。

これまで水痘にかかったことのない妊婦が、出産前後に発症した場合、生まれてきた子どもに新生児水痘が起こる場合があります。新生児水痘は、かかると約3分の1が死亡する重い病気です。

水痘の予防接種は、発症予防や重症化防止に役立つとされていますが、現在予防接種法による定期の予防接種にはなっていません。しかし、予防接種外来を開いている医療機関などで、任意接種として受けることができます。

また、水痘は、水疱の内容物に触れたりすることによってうつり、感染力が強いので、かかった場合はすべての発疹がかさぶたになるまで登園や登校など集団に接することは避けましょう。