福岡県感染症発生動向調査情報

第19週分(平成13年5月7日〜5月13日)

伝染性紅斑

今年第19週の感染症発生動向調査情報では、全般的に報告数はゴールデンウイークの前の状況に戻っています。麻しん、手足口病、流行性耳下腺炎、水痘と並んで、伝染性紅斑も報告数が多い状態が続いています。

今週は、伝染性紅斑についてお話します。この病気にかかると、両側の頬がりんごのように赤くなるため、別名りんご病ともいわれます。原因は、ヒトパルボウイルスB19のというウイルスです。

福岡県において、過去10年間では、平成4年と平成8年に流行が見られており、4〜5年ごとに流行していますが、今年は、1〜19週までの報告数が昨年の3.6倍と、このままの状態が続けば、今年は流行の年になると考えられます。

伝染性紅斑は、感染して数週間経つと、頬や体の中心部分から手足に向かって広がる紅斑が見られます。この時期が最も感染力が強く、のどの分泌物との接触や飛沫などによって、感染が広がります。紅斑は、1週間〜10日程度で消失しますが、紅斑が現れる前に、軽度の発熱や関節痛が見られる場合があります。まれに貧血を起こすことがありますが、重篤な合併症などは見られない病気です。

しかし、妊娠している女性の場合には注意が必要です。妊婦が感染すると、胎児が貧血になったり、発育が遅れたり、胎児水腫といった病気を引き起こす場合があります。伝染性紅斑の患者との接触は避けましょう。また、感染の心配がある場合は、かかりつけの産婦人科医などに早めに相談しましょう。