福岡県感染症発生動向調査情報

第35週分(平成13年8月27日〜9月2日)

マイコプラズマ肺炎

平成13年第35週の感染症発生動向調査では、全般的に報告数が減少していますが、マイコプラズマ肺炎については、毎週全県から報告があり、流行しているので注意が必要です。今週はマイコプラズマ肺炎についてお話します。

マイコプラズマ肺炎は、肺炎マイコプラズマという病原体の感染によって起こります。以前は4年ごとオリンピックの年に流行するとされていましたが、最近はそのような周期性は見られなくなっています。福岡県において昨年は、夏の終わりから秋にかけて報告が増加する傾向にあり、これからの季節は注意が必要です。患者さんの年齢は5〜10歳と15〜30歳が多く、乳幼児や高齢者は比較的少ないといわれています。

症状としては、2〜3週間の潜伏期のあとに、発熱、頭痛、倦怠感、咳などの症状が見られます。のどから気管支へと炎症が進み、肺炎が起こりますが、咳は次第に激しくなり、他の症状が消失したあと数週間も続くことがあります。

感染経路としては、患者の鼻やのどからの分泌物に直接触れたり、飛沫を吸い込だりすることによるものがあります。発病前1週間〜発病後10日程度が、感染力がある期間といわれています。

予後は、比較的よい病気ですが、呼吸器以外に発疹、神経炎、心筋炎などの合併症が見られる場合があります。小児の方が成人より合併症を起こしやすいといわれており、注意が必要です。

また、症状がおさまっても病原体が排出され続けることがあるため、治療薬(エリスロマイシンやテトラサイクリンなどの抗菌剤)は、自己判断でやめたりせず、医師の処方に従って服用することをおすすめします。