福岡県感染症発生動向調査情報

第36週分(平成13年9月3日〜9月9日)

結核(発生状況)

平成13年第36週の福岡県感染症発生動向調査情報では、カンピロバクターやサルモネラによる感染性胃腸炎の報告が続いていますので注意が必要です。

さて、9月24日〜30日は結核予防週間ですが、今週から何回か結核について取り上げたいと思いますが、今週はまず結核の発生状況についてお話しします。

結核は、結核菌によって起こる病気です。結核菌によく似た細菌が起こす病気で、非定型抗酸菌症というものがありますが、これは結核ではなく別の病気です。

結核患者と診断したとき、医師は結核予防法に基づき、二日以内にもよりの保健所長に届出なくてはなりません。この届出によって、1年間に新たに結核患者として届出がされた人の数を、新登録結核患者数といいますが、これを人口で割って10万を乗じた数を罹患率といい、これは1年間に人口10万人あたり何人の結核患者が発生しているかということを示しています。平成12年(速報値)において、新登録患者数は、福岡県では1,613人で、全国では38,704人でした。罹患率は、全国は29.8で、福岡県は32.2でした。

新登録結核患者数は、1965年(昭和40年)に全国で約30万人にのぼり(罹患率309)、1970年代までは順調に減少してきましたものの、減少傾向はしだいに鈍化し、1997年(平成9年)にはじめて罹患率が前年よりも増加しました。福岡県においても1999年(平成11年)の罹患率が、前年よりも増加しました。

1999年(平成11年)には、厚生省(当時)から「結核緊急事態宣言」が出され、現在、保健所や医療機関などをはじめとした様々な機関で、各種の結核対策の強化がはかられています。 

結核を早期発見するためには、毎年職場や市町村で行われている結核定期健康診断(胸部レントゲン検査など)を受け、異常がないかを確認しましょう。また、異常を指摘された場合は、そのまま放置せず、早めに精密検査を受けましょう。さらに、咳が長引いたり、カゼが治りにくいなどの症状があるときは、早めに医療機関を受診し、胸部レントゲン検査や痰の検査などを受けることをおすすめします。