福岡県感染症発生動向調査情報

第38週分(平成13年9月17日〜9月23日)

麻しん(はしか)の流行状況と予防接種

平成13年第38週の福岡県感染症発生動向調査情報では、流行性耳下腺炎の報告は減少傾向にありますが、まだ多い状況です。手足口病、ヘルパンギーナの流行も終わろうとしており、麻しんもさらに減少しています。

今年は、福岡県、全国ともに麻しんの流行がみられます。流行状況は、定点あたりの報告数で比較しますが、これは、報告をお願いしている医療機関(定点医療機関)から報告された患者数を、医療機関数で除したものです。県内の105か所の小児科定点から子どもの麻しん患者が報告されています。18歳以上の場合は「成人麻しん」として、県内15か所の基幹定点と呼ばれる医療機関から別途報告されています。

今年の福岡県における麻しん(成人麻しんを除く)の定点あたりの報告数は、現在、31.3となっています。第19週(5月7日〜5月13日)をピークとして、現在は報告数の減少が続いています。麻しんは数年おきの周期で流行しており、この10年間では、平成3年と平成7年流行が見られています。

また、成人麻しんは、今年の定点あたりの報告数は、5.20となっており、平成12年の0.3を大きく上回っています。

麻しんは、感染力が強く、さまざまな合併症を起こしたり、後遺症を残すことがあるため、予防がとても大切な病気の一つです。麻しんの予防接種は、1978年(昭和53年8月)から定期接種となり、当時は、1歳〜6歳までの子どもが対象でした(現在24、25歳〜29歳、30歳ぐらいまでの人)。麻しん場合は、95%人が予防接種を受けないと、流行を防ぐことができないといわれていますが、福岡県の接種率は約70〜80%です。

現在、麻しんの定期予防接種の対象年齢は1歳から7歳半までとなっていますが、1歳になったらなるべく早い時期に麻しんの予防接種を受けることをおすすめします。

また、1歳未満の乳児の場合でも、麻しんが流行しておりかつ集団生活をしている場合は、任意接種を受けた方がよい場合もあるので、心配がある場合は、かかりつけ医にご相談ください。乳児期に接種をした場合は、1歳以後に再接種を受ける必要があります。さらに、7歳半以上で(成人の場合も)これまでに麻しんにかかったことがない場合や、予防接種を受けたことがない場合は、任意接種を受けることをおすすめします。予防接種については、市町村の予防接種担当課や保健所などでも相談ができますので、ご利用ください。