福岡県感染症発生動向調査情報

第44週分(平成13年10月29日〜11月4日)

インフルエンザ(ワクチンと予防接種)

平成13年第44週の福岡県感染症発生動向調査情報では、感染性胃腸炎と水痘(みずぼうそう)が徐々に増加しています。インフルエンザの報告数は先週とほとんど変わりありません。今週は、インフルエンザのワクチンについてお話ししたいと思います。

インフルエンザワクチンは、平成12年度から、成人及び高齢者については、従来2回とされていた接種が、1回でも良いとされました。

今年のワクチンは、昨年の流行状況から、A型(ソ連型、香港型)及びB型の3つに有効と考えられているものが製造されました。今年の製造量は、全国で1,100万本と、昨年より350万本多くなっており、厚生労働省では、ワクチンは十分行き渡ると考えています。

予防接種は、予防接種法に基づいて市町村などが実施する「定期接種」や「臨時接種」と、自分の責任で行う「任意接種」の2つに分けられます。

今回の予防接種法の改正では、接種が重症化の防止などに有効であると認められた高齢者を対象として、インフルエンザワクチンが定期接種に加えられることになりました。高齢者というのは、65歳以上の人ですが、その他に、60〜65歳未満で心臓、じん臓、呼吸器に重い障害を持っていたり、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能の障害が重い人たちも、接種対象者となります。それ以外の方については、これまでと同様に「任意接種」で接種を受けていただくことになります。

今回の改正によって、対象となる住民の方とっては、これまでより接種の費用負担が軽くなり、万が一、予防接種によって健康被害が生じた場合も、市町村長が救済措置をしてくれることになります。

住民の方の費用負担は、一律ではなく、無料のところもあれば、1,000円のところもあるというように、各市町村長が決めることになります。

また、市町村長は、予防接種の実施期間を決め、接種に協力してくれる医療機関名とともに、住民の方にお知らせすることになります。ただし、対象となる年齢の人でも、決められた実施期間以外の接種は、「任意接種」となるので注意が必要です。

さらに、市町村がお知らせした医療機関以外の医療機関で接種を受ける場合も、市町村に「依頼書」を発行してもらうなどの手続きを取らずに接種した場合は、「任意接種」となる場合があります。「依頼書」などの手続きを取っても、接種費用は住民が自己負担しなくてはならない場合もあるので、市町村の予防接種担当係の人によく話を聞いて接種を受けることが大切です。