福岡県感染症発生動向調査情報

第45週分(平成12年11月5日〜11月11日)

インフルエンザ(かからないために)

今年第45週の感染症発生動向調査情報では、感染性胃腸炎、A群溶レン菌咽頭炎、水痘、流行性耳下腺炎が増加しており注意が必要です。今週は、インフルエンザの症状と予防接種についてお話しします。

インフルエンザと、普通のかぜとの違いは、ひとことで言えば、インフルエンザでは、突然の高熱、関節痛などの全身症状がみられること、さまざまな合併症がみられるということです。とくに、乳児や高齢者、糖尿病や免疫の機能が低下している人(抗がん剤などの薬のために低下している人も含む)や、心臓・呼吸器に慢性の病気を持つ人の場合は、肺炎や気管支炎などを起こし、重症となることがあります。乳児では、中耳炎や高熱による熱性けいれんを起こすこともあります。幼児では、ごくまれに脳炎・脳症で死亡する例もみられており、一部の解熱剤(ジクロフェナクナトリウムという成分を使ったもの。現在は、インフルエンザ患者への投与をしないよう厚生労働省が呼びかけている)との関係が疑われ研究が行われています。

予防接種を受けていないでインフルエンザにかかった人の70%〜80%は、予防接種をしていれば、インフルエンザにかからなかったか、かかっても軽くてすむといわれています。昨年の冬は、インフルエンザの大きな流行はみられませんでしたが、例年、12月下旬から流行が始まり、1〜2月にかけてピークを迎え、3月上旬ごろまで流行します。接種してから効果がでるまで、約2週間程度かかり、その効果は約5ヶ月間持続すると言われていますので、12月中旬までには予防接種をすませましょう。接種回数は、表のとおりです。今回改正された予防接種法で、定期接種の対象となる65歳以上の人などへの接種は、1回でよいとされています。

インフルエンザの予防接種を受けたときに起こる副反応(副作用)としては、接種した所が、赤くなったり、腫れたり、痛みがでるなどですが、2〜3日で消失します。他に、熱が出たり、頭痛やからだのだるさなどがみられることもあります。ごくまれに、卵アレルギーの強い人で、じんましんが出たり、ショックを起こすことがあります。しかし、卵アレルギーのある人すべてに、このような副反応がでるわけではないので、接種できるかどうかについては、かかりつけ医や接種医によく相談しましょう。また、予防接種の副反応を避けるために、体調のよいときを選んで接種しましょう。

その他に気をつけることは、過労や睡眠不足を避け、バランスのよい食事をとり、病気に対する抵抗力をつけること、流行しはじめたら人混みを避けること、部屋の温度(18〜20度)や湿度(60〜70%)を保つことなどです。