福岡県感染症発生動向調査情報

第51週分(平成13年12月17日〜12月23日)

A群溶血レンサ球菌咽頭炎

平成13年第51週の感染症発生動向調査情報では、インフルエンザについては、今週は先週の3倍近く報告されています。筑後地区や北九州地区でも、インフルエンザAソ連型のウイルスが分離されていますが、今年のインフルエンザワクチンは、この型には効果があると考えられています。感染性胃腸炎や水痘、A群溶血レンサ球菌咽頭炎、流行性耳下腺炎の報告も多い状況が続いています。

今週は、最近増加傾向がみられるA群溶血レンサ球菌咽頭炎についてお話しします。

この病気は、3歳以上の幼児に多くみられ、平成12年に報告されたA群溶血レンサ球菌咽頭炎の患者さんの年齢は、約6割が4〜7歳(0〜3歳は21.3%、8〜14歳は15.8%)でした。

流行時期は、一般的には、晩冬〜春といわれていますが、平成13年は例年より1か月程早い10月から報告数が増加しており、10〜12月中旬までの報告数は、昨年の約2倍なっており、今後も増加するおそれがあり、注意が必要です。

感染経路としては、患者ののどからの分泌物による飛沫感染ですが、ときに食品(ミルク、たまご、サラダ、弁当など)によって経口感染し、集団感染を起こすことがあります。

潜伏期は1〜3日ですが、この時期を含めて2週間ぐらいは感染力があります。 

症状としては、のどに炎症が起こって、赤くなります。のどの強い痛みを伴うことが多く、そのために物を飲み込みにくくなります。発熱(38.5℃以上)も伴います。

また、のどの炎症が周囲に広がると、扁桃周囲が赤くなったり化膿したり、あごの下や首のリンパ節が腫れることがあります。幼児の場合は、肛門周囲に炎症が起こり、赤くなったり、痛みや出血を伴うことがあるといわれています。のどに化膿が起こったり合併症を起こしたりしなければ、1週間程度でなおる病気です。

治療としては、ペニシリンなどの抗生物質がよく効きますが、合併症の予防のために、すこし長めに服用することが必要です。症状がおさまっても、自己判断で中断したりせず、医師の指示に従って服用しましょう。