福岡県感染症発生動向調査情報

第3週分(平成14年1月14日〜1月20日)

インフルエンザ流行発生注意報

平成14年第3週の感染症発生動向調査情報では、インフルエンザの報告数が増加し、平成14年1月24日に、福岡県はインフルエンザ流行発生注意報を出しました。インフルエンザは、現在県内の198定点医療機関から患者数が報告されていますが、1定点医療機関あたりの報告数が13.2と、流行発生注意報の基準である10を越え、流行の兆しが見られています。

県内各地区で増加しており、北九州地区(定点あたり17.5)、筑後地区(16.8)、筑豊地区(10.1)、福岡地区(9.7)となっています。今年の流行状況は、たいへん報告数が少なかったH12年度と較べると多い状況ですが、ここ数年と比較すると、今の時点ではまだ少ない状況です。また、佐賀、大分、宮崎県で報告数が多くなってます。

県内の学校における学級閉鎖等は、今月16日にはじめて報告され、24日までに県内全体で19校(小学校13校、中学校6校)から報告がありました。

インフルエンザウイルスにはAソ連型、A香港型、B型などがありますが、今年度、県内ではAソ連型が見つかっています。

インフルエンザは、普通のかぜと違い、急に高熱(38〜39度)が出て、同時に全身症状(筋肉痛、関節痛、頭痛、胸痛、腰痛、全身倦怠感(体のだるさ)、食欲がなくなる)がみられることが特徴です。のど(咽頭)の痛み、鼻みず、咳などは、発熱後に少し遅れてみられます。初期症状がインフルエンザとよく似た病気の一つに、A群溶レン菌咽頭炎があり、現在、県内で報告数が増加しています。この病気はインフルエンザに較べてのど(咽頭)の炎症が強く、のどが赤くなり白っぽい膜のようなものがついている場合があり、強い痛みを伴います。

インフルエンザの一般的な予防は、表のとおりです。インフルエンザワクチンの予防接種は、接種してから効果が出るまでに約2週間かかるため、流行が始まる11〜12月に受けておくこと望ましいのですが、これからの流行に備えて、合併症を起こして重症化しやすい方、例えば高齢者、ぜんそくなどの慢性の呼吸器の病気や、糖尿病などの病気を持っている方などは、とくに予防接種をおすすめします。インフルエンザに関するご相談は、最寄りの保健所をご利用ください。