福岡県感染症発生動向調査情報

第5週分(平成14年1月28日〜2月3日)

風しん

今年第5週の感染症発生動向調査情報では、インフルエンザの報告は、増加していますが、1定点医療機関あたりの報告数は22.8と前週(20.7)の約1.1倍で、増加率は前週(約1.6倍)、前々週(約2.1倍)と比較すると小さくなっています。地区別では、1定点医療機関あたりの報告数は、北九州が22.7(前週26.5)、福岡23.2(前週19.9)、筑豊12.8(前週10.7)、筑後27.8(前週20.3)と、北九州地区のみ減少しています。北九州地区では、A香港型のウイルスがみられたという報告がありました。また、風しんについては、先週報告数が急増していましたが、今週の報告数は減少しています。

今週は、風しんについてお話しします。

風しんは、風しんウイルスの感染によって起こる病気です。3〜10歳ぐらいの子どもによく見られますが、妊娠初期に風しんにかかると、生まれてくる子どもに、白内障、心疾患、難聴など、いわゆる先天性風しん症候群が起こることがあります。

福岡県においては、過去20年間では、昭和57年、昭和62年、平成5年に大きな流行が見られました。早春から初夏にかけて流行するため、これから注意が必要です。

患者さんの鼻やのどの分泌物に接触したり、飛沫を吸い込むことにより感染が起こります。潜伏期は、2〜3週間で、少しかゆみを伴った小さな赤い発疹が、顔や首から胴体や手足に広がります。発熱を伴う場合もありますが、発疹は、数日であとを残さずに消えます。首や耳の後ろのリンパ節が腫れて痛みを伴う場合があります。

風しんワクチンの予防接種は、接種すると95%の人に抗体ができ、十数年は免疫が続くといわれています。これは、昭和52年から中学生女子を対象に、予防接種法(以下、法という)に基づく接種が開始され、MMRワクチンとして接種した時期もありましたが、現在の対象年齢は、生後12〜90か月(1〜7歳半)までとなっています。

平成6年の法改正に伴い、中学生男女の接種については経過措置がとられていましたが、接種率が低いことから、昨年11月の法改正で、昭和54年4月2日〜昭和62年10月1日までに生まれた人については、中学生以上でも、平成15年9月30日までの間は、風しんの定期接種を受けることができるようになりました。詳しくは、各市町村にお問い合わせください。