福岡県感染症発生動向調査情報

第13週分(平成14年3月25日〜3月31日)

伝染性紅斑について

今年第13週の感染症発生動向調査情報では、インフルエンザの報告数は各地区で減少しています。伝染性紅斑と風しんの報告数が増加しており、今後の動向に注意が必要です。そこで、今週は、伝染性紅斑についてお話しします。

伝染性紅斑という病名はなじみがないかもしれませんが、いわゆる“りんご病”として一般には知られている病気です。咳などの飛沫を吸い込むか接触することで感染すると考えられているウィルスが原因の病気です。感染後1週間くらいして風邪様の症状がみられ、4分の1程度の人には発熱もみられます。その約1週間後、両方のほっぺたに“ちょうちょの羽根”のような形の赤い発疹がでます。発疹は1〜2日で全身に広がり、特に前腕・下腿に目立ち、約10日で除々に消失します。入浴・日光・運動によって赤みが増強することもあります。

年長児や青年期では、発疹期に関節痛を伴うことが多く、また成人では腰痛などの関節痛で始まる人もみられ、典型的な発疹がでないことがあります。

通常の経過では、特に治療は必要ありませんが、かゆみの強い時などには薬を使うこともあります。発疹発現前の患者が感染源になります。病院を受診しないケースもあり、流行しているようなときは注意が必要です。妊婦の人は感染すると、流・早産や胎児に異常が生じることがあるとされているので注意しましょう。一回かかったことのある人には終生免疫ができるといわれています。