福岡県感染症発生動向調査情報

第17週分(平成14年4月22日〜4月28日)

結核の予防接種(BCG)について

今年第17週の感染症発生動向調査情報では、インフルエンザの報告数が2週連続で増加し、学級閉鎖の報告も続いています。一定点医療機関あたりの報告数は6.0(先週3.1)となっています。地区別では、北九州が9.0(先週4.0)、福岡が3.1(先週1.9)、筑豊が4.9(先週4.6)、筑後が9.1(先週3.8)と各地区で増加しており、注意が必要です。

現在、厚生労働省で見直しが行われていますが、結核の予防接種が行われる季節になりました。そこで、今回は結核の予防接種(BCG)についてお話します。

現在は、結核予防法に基づき、4歳未満、小学校1年生、中学校1年生で、いずれもツベルクリン反応検査が陰性の人にBCGが定期接種として行われています。小学校1年生と中学校1年生で、BCG接種を受けた人は、翌年にツベルクリン反応検査を行い、陰性であれば再度BCG接種を行います。結核は、現在では治療薬もあり、早期に発見し適切な治療を行えば治る病気ですが、乳幼児が結核にかかると、結核性髄膜炎や粟粒結核などを起こし、死亡したり後遺症を残すことがあります。BCGは、乳幼児の結核性髄膜炎や粟粒結核などの重症結核の発病・重症化防止に極めて有効とされていますので、1歳までの早い時期にBCG接種を受けることをおすすめします。

接種時の注意として、接種日は接種部位が隠れるような袖丈の洋服を着せていきましょう。BCGは日光に弱いため、接種後は日陰で乾かし、完全に乾いてから袖をおろし、日光があたらないようにします。また、接種当日は、入浴は可能ですが、接種部位をゴシゴシ擦ったりしないようにしましょう。

BCGを初めて接種した場合は、接種後1週間頃から接種した針あとが赤く腫れて、2週間頃には少し化膿しますが、3〜5ヶ月もすると小さなあとを残すだけになります。2回目以降の接種ではそれらの反応が出る時期が少し早くなります。人によっては、わきの下のリンパ節が腫れてしこりができることがあります。化膿やリンパ節の腫れが強い場合は、かかりつけ医などに相談しましょう。

また、ケロイドになりやすい体質の人は、接種前にかかりつけ医や接種医によく相談してから接種を受けましょう。