福岡県感染症発生動向調査情報

第20週分(平成14年5月13日〜5月19日)

タバコの害について

今年第20週の感染症発生動向調査情報では、インフルエンザの報告数は引き続き減少しています。今週増加している疾患としてはA群溶レン菌咽頭炎、伝染性紅斑、風しん、ヘルパンギーナなどがあり、特にヘルパンギーナは増加傾向が続いており注意が必要です。

さて今週は、感染症から少し離れ、5月31日の「世界禁煙デー」にちなみタバコの害についてお話しします。この日は「タバコのない世界」を実現することを目標に、世界保健機関(WHO)が世界中の国々に呼びかけているもので、今年で15回目になります。

タバコの煙には、喫煙者が吸う煙(主流煙)とタバコの先から出る煙(副流煙)があります。煙には、タールやニコチンといった健康被害を引き起こす有害物質が約200種類含まれています。この有害物質は主流煙に比べ、副流煙の方に多く含まれています。そのため、タバコを吸わない人も喫煙者のそばにいれば、健康被害を受けてしまいます。

タバコの害といえば、肺ガンがよく知られていますが、タバコは肺ガンだけでなく、全身のほとんどのガンの発生と関わりがあり、ガンの原因として重要な因子になっています。また、ガンの他にも心臓病、脳卒中を始めとするさまざまな生活習慣病の原因にもなっています。

このように健康に対して大きな悪影響を与えるタバコですが、日本人の喫煙率は男性では未だに他の先進国を大きく上回っています。女性の喫煙率は他の先進国と比べて低率ですが、20〜30歳代の若い女性では喫煙率が増加しています。また、未成年者の喫煙経験率も上昇しており、将来への悪影響が心配されます(表)。

喫煙習慣が身に付いてしまうと、禁煙したいと思ってもなかなかやめられないものです。喫煙対策の最も根本的な方法は、未成年者に喫煙習慣を身につけさせないようにすることです。このため家庭や学校、公共の場などでの分煙や禁煙を進めることが重要になってきます。

6月6日(木)13時から、福岡市天神のアクロス福岡にて「世界禁煙デーフォーラムin福岡」を開催します。今年の標語「たばことスポーツは無縁(無煙)です。ーきれいにやろう!ー」に合わせ、福岡ダイエーホークスの元選手で現在寮長の河野敬幸さんをシンポジストとしてお招きしています。お問い合わせは県庁健康対策課(092−643−3269)まで。