福岡県感染症発生動向調査情報

第21週分(平成14年5月20日〜5月26日)

ヘルパンギーナについて

今年第21週の感染症発生動向調査では、ヘルパンギーナ、無菌性髄膜炎が増加中です。また風しんは全国的には少ないものの、福岡県は例外的に多い状態が続いています。そこで今週は増加傾向が続いているヘルパンギーナについてお話します。

ヘルパンギーナは主にコクサッキーウイルスA群によっておこる感染症です。主として乳幼児期にかかることが多く、夏場に流行するのが特徴です。ウイルスに感染すると、3〜5日の潜伏期間の後、突然高熱がおこり、のどの奥に1〜2mmぐらいの水疱が数個できます。水疱はやがて破れて浅い潰瘍をつくります。そのため、のどの痛みや食べ物を飲み込むときの痛みを訴えるようになります。乳児がかかった場合は、のどの入り口に痛いものができているので、ミルクや離乳食をほしがらないといったことがみられます。

熱は2〜4日間続くことが多く、のどの痛みなどの症状は4〜6日間続きます。予後は通常は良好で、対症療法を行うだけで改善します。ただ、稀に髄膜炎を合併することがありますので、いったん下がった熱がまた上がるようなことがあったり、頭痛を伴なったりする場合には、早めに医療機関を受診しましょう。

のどの痛みのため、食物・水分摂取が困難になりますが、発熱もありますので、脱水症にならないよう、十分水分をとるようにしましょう。

ウィルスは、のどから出された分泌物や便にたくさん含まれています。また、症状がおさまっても、数週間は便の中にウイルスが出ることがありますので、感染予防のために、うがいをしたり、排便後や調理や食事の前に十分手を洗いましょう。