福岡県感染症発生動向調査情報

第24週分(平成14年6月10日〜6月16日)

流行性角結膜炎について

今週第24週の感染症発生動向調査情報では、先週まで増加を続けていたヘルパンギーナの報告数は若干減少しています。風しんはほぼ横這いですが、報告数が多い状況は変わらず続いています。その他、増加した疾患としては流行性角結膜炎の報告数が若干増加しています。そこで、今週は流行性角結膜炎についてお話します。

この病気はアデノウイルスの感染によって起こる症状の激しい結膜炎で、俗に「はやり目」と呼ばれています。アデノウイルスにもいろいろなタイプがあり、かぜのような症状を起こすものや、気管支炎や咽頭炎を起こすもの、乳幼児の下痢を起こすものなどがあります。

ここ数年の患者発生状況をみると、20歳以上の大人の割合が6〜7割を占めており、また発生のピークは7,8月にみられます。

流行性角結膜炎は感染力が強い病気で、眼から出る分泌物に直接触れたり、それがついた器具を介して感染が広がります。そのため、保育園や学校などで時々集団発生が見られます。

潜伏期は、1〜2週間程度で、急に結膜が充血し、結膜炎が起こり、その後、角膜炎が起こります。まぶたや眼の周りが腫れたり、痛みやまぶしさ、眼がかすむ、耳のあたりのリンパ節が腫れるなどの症状も見られます。また、同時に発熱(軽度)や、頭痛、食欲不振などがみられることがあります。

結膜炎は2〜4週間程度で治りますが、角膜の混濁によるかすみ眼が続いたりすることがあります。

感染を広げないためには、患者さんの目から出る分泌物や、それがついた器具などに触れないように気をつけることです。そのために、患者さんは、自分の専用のタオルや洗面器を使うようにしましょう。また、この病気は学校伝染病として、治るまでは登校禁止が定められています。