福岡県感染症発生動向調査情報

第27週分(平成14年7月1日〜7月7日)

性器クラミジア感染症について

今週第27週の感染症発生動向調査情報では、伝染性紅斑の報告数が増加しています。

さて、7月も中旬にさしかかり、夏休みも間近に迫ってきました。開放的な気分で旅行や海水浴などに出かけられる機会も多くなることでしょう。

今週は性感染症の中でも報告数の多い性器クラミジア感染症を中心にお話しします。

性器クラミジア感染症は、クラミジア・トラコマティスという病原体によって引き起こされる病気です。感染すると1〜3週間の潜伏期を経て、男性では排尿困難や排尿時の痛みを訴え、尿道口より分泌物がみられるようになります。しかし、女性ではたまにおりものの増加がみられる程度で、多くの場合、症状はみられません。そのため感染に気がつかないでいる人も少なくないようですが、20代前半の女性では15人に1人がクラミジアに感染しているというのが現状です。

治療には抗生物質が有効ですが、慢性的に感染が続くと、女性では骨盤の中に炎症が広がり、卵管などに癒着がおき、不妊症や子宮外妊娠の原因になることもありますので、早めに治療を受けることが重要です。また性的パートナーがいる人は、性的パートナーに症状がなくても、一緒に検査や治療を受けることが大切です。

また、それ以上に重要なのが、感染の予防です。不特定多数の相手との性行為やコンドームを使用しない性行為は感染の危険性を高めます。

コンドームを正しく使用すれば性感染症の予防に有効ですが、途中から使用したり、破損したりといったことがあると感染を防ぐことはできません。使用上の注意をよく読んで正しく使いましょう。また、ピルは避妊のための薬で、感染を予防するものではありません。ピルを服用している人も性感染症予防のためにはコンドームを使いましょう。

県の保健所では性感染症の相談やエイズの無料検査を行っています。電話相談も行っていますのでご利用ください。