福岡県感染症発生動向調査情報

第32週分(平成14年8月5日〜8月11日)

風しんの予防接種について

今週第32週の感染症発生動向調査情報は、咽頭結膜熱と手足口病の報告数が増加しています。

今週は風しんについてお話しします。風しんは風しんウイルスに感染して起こる病気で、3日はしかとも呼ばれています。風しんウィルスは患者さんの鼻やのどの分泌物の中に含まれており、接触や飛沫を吸い込むことによって感染が起こります。症状としては、2〜3週間の潜伏期の後、発熱と同時に発疹がみられ、3日間程持続します。発疹は淡紅色で、顔や首から始まって全身に広がります。また、この時期に首や耳の後ろのリンパ節が腫れることも特徴です。不顕性感染といって、症状がない場合や発疹がでない場合もあります。症状は一般にはしかよりも軽く、ほとんどが自然治癒しますが、まれに脳炎や髄膜炎を起こすこともあるので注意が必要です。

また、妊婦が妊娠初期に感染すると、心臓の奇形や白内障、難聴などの先天性の奇形(先天性風しん症候群と呼ばれます)を起こすことがありますので、妊娠の可能性のある女性は十分な注意が必要です。

成人女性で、感染したことがない方や予防接種を受けたことがない方、よく覚えていない方は、妊娠前にかかりつけの医療機関で風しん抗体検査を受けることをお勧めします。そして、抗体のない女性は、妊娠前に風しんの予防接種を受けましょう。風しんワクチン接種後は、通常2ヶ月間は避妊しなければいけませんので、医療機関に相談すると良いでしょう。抗体のない妊婦さんは、風しん患者と接触しないように注意してください。

また、子どもの場合には、幼児期から接種を受けることができますので早くから受けるようにしましょう。以前は女子中学生を対象とした風しんワクチン接種が義務づけられていましたが、現在は平成6年の予防接種法の改正に基づき、風しんワクチンの接種対象年齢は12〜90ヶ月の小児となっています。ワクチンを受ける機会がなかった人(その時点で、すでに乳幼児期を経過し、かつ中学生に達していなかった方:昭和54年4月2日〜昭和62年10月1日までに生まれた方)は、経過措置として平成15年9月30日まで無料で受けることができます。市町村にお問い合わせのうえ、未接種の方は早めに接種を受けるようにしましょう。