福岡県感染症発生動向調査情報

第33週分(平成14年8月12日〜8月18日)

手足口病について

今週第33週の感染症発生動向調査情報では、報告数に大きな変動はありません。

さて、夏休みも終わりに近づき、夜風も随分と涼しくなってきました。秋の訪れも近いようです。今週は、手足口病についてお話します。

手足口病は0歳〜5歳が約90%占める乳幼児の病気で、主として初夏から初秋に流行します。原因はコクサッキーウイルスA16型、エンテロウイルス71型などのウィルスです。

症状としては、病気の名前どおり手・足・口に小さな水疱(水ぶくれ)ができます。水疱は直径2〜5mm程度の小さなもので、のどだけではなく、上あご・ほほの粘膜・舌などにもでき、すぐに破れて潰瘍になり、食事の時に痛みがあります。乳幼児では食事や飲水ができなくなり、脱水症に陥ることもありますので注意が必要です。刺激の少ない食品を選んであげるように心掛けてください。手のひらや足の裏、膝、おしり等にできる水疱は、痛みや痒みはなく、かさぶたになることもありません。発熱はみられないことが多く、あっても軽度です。

大部分は1週間以内で自然に快方に向かうため、そのまま様子を見るだけで大丈夫です。水疱のあとも残りません。しかし、まれに無菌性髄膜炎や脳炎などの合併症を起こす場合があります。ですから、軽い病気と油断せずにどもの様子に注意し、頭痛や、急に不機嫌になることがあれば、速やかに医療機関を受診させましょう。

この病気は、咳・たん・くしゃみ・鼻水・便などによって感染します。ウィルスは口の中の病変からは1〜2週間、便からは2〜4週間と比較的長い期間排出されますので、流行時には以下のことに注意しましょう。 
(1)人混みは避ける。
(2)食事前やトイレの後に手を洗う。
(3)食品を扱う前、子どもと接する前にも手を洗う。
(4)住まいや、子ども間で貸し借りされる玩具などは清潔に保つ。