福岡県感染症発生動向調査情報

第35週分(平成14年8月26日〜9月1日)

梅毒

今週第35週の感染症発生動向調査情報では、感染性胃腸炎の報告数がやや増加しています。

さて、みなさん秋の夜長を如何お過ごしでしょうか。今週は、先週に引き続いて性感染症、なかでも梅毒についてお話しします。

梅毒は、梅毒トレポネーマに感染して起こる病気です。ほとんどが性行為によって感染しますが、皮膚の損傷があると、そこに接触することで感染することもあります。

症状にはいくつかの段階があります。まず感染後約3週間経つと、性器や肛門、口などの、感染した部位に痛みのない赤いしこりができます(第1期)。これは放置していても4〜6週間で自然に軽快します。しかしその後、赤いやや盛り上がった発疹が全身に現れ、頭髪が抜けたりするようになります(第2期)。しかし痛みやかゆみはなく、これも放置していても自然に消失します。そしてこの後、数週間から数年間にも及ぶ、無症状の潜伏期に入りますが、やがて晩期へと進みます。晩期になると、皮膚や内臓にゴム腫と呼ばれる固いしこりやこぶができます。また関節炎、血管障害、心臓障害などが出現し、神経や脳が侵され後遺障害を残すことがあります。また、妊婦が梅毒に感染すると胎児に感染し、先天梅毒になることがあります。

治療はペニシリンなどの抗生物質の内服が極めて有効ですが、症状が治っても病原体が体の中に潜んでいることもあるので、根気よく治療する必要があります。

私たちにとって最も大切なことは、このような病気を予防することです。予防には、性行為の際のコンドームの使用、性行為の相手の限定などがあります。表にコンドーム使用のチェックポイントを載せていますので、参考にして下さい。

梅毒は、血液検査によって診断することができます。また、県保健所では、無料で梅毒の相談と血液検査を実施しております。ただし保健所によって検査日や時間が異なりますので、電話等で確認してください。