福岡県感染症発生動向調査情報

第36週分(平成14年9月2日〜9月8日)

サルモネラ食中毒

今週第36週の感染症発生動向調査情報では、変動が少ないなかでヘルパンギーナ、流行性耳下腺炎が減少しています。

近頃は気候も涼しくなり、つい油断しがちですが、まだまだ食中毒の予防に注意が必要です。今週は、サルモネラ菌による食中毒についてお話しします。

食中毒とは「食中毒細菌やウイルス、有害・有毒な物質が含まれた食品を食べて起こる健康被害」をいい、一般に、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、発熱、麻痺、発疹(ほっしん)等の症状がでます。平成13年度に福岡県で発生した食中毒事件は60件で、患者数は693人でした。

サルモネラ菌は家畜やペット、下水、川などに広く分布していますが、原因食品には、鶏卵及びその加工品、鶏肉、乳製品が多いと言われています。

原因となる食品を食べてから6〜48時間後に、発熱、下痢、吐き気、嘔吐などの症状がでます。特に下痢は激しく、便は水様のことが多いようです。通常ほぼ1週間で回復し、致命率は1%以下ですが、乳児や高齢者ではまれに髄膜炎や敗血症などを起こすことがあり、注意が必要です。

予防のために、家庭では、以下のことに注意しましょう。
@卵はきれいで、ひび割れのない、新鮮なものを購入すること。
A持ち帰った卵は、すぐに冷蔵庫に入れること。
B加熱して調理する場合は、十分加熱すること。
C破卵やひび割れ卵は生で食べないようにしましょう。
D調理前の生卵や調理後の卵料理を、室温に長く放置しないこと。
E賞味期限を守ること。

食材や食品を取り扱う場合は、食品衛生の三原則(清潔、細菌に増える時間を与えない、しっかり加熱・冷凍保存)を徹底すると共に、食中毒を疑わせる症状があったときには、速やかに医療機関に受診しましょう。

これから、運動会などのイベントで、折り詰めやお弁当を食べる機会が増えてきますが、余ったものを持ち帰って食べるようなことは控えましょう。