福岡県感染症発生動向調査情報

第42週分(平成14年10月14日〜10月20日)

インフルエンザの予防接種

今週第42週の感染症発生動向調査情報では、報告数の変動幅は少ないですが、感染性胃腸炎、マイコプラズマ肺炎は比較的多い状況が続いています。

さて、今週はインフルエンザの予防接種についてお話しします。

インフルエンザはインフルエンザウイルスによって起こる呼吸器感染症で、冬から春にかけて流行し、高熱や頭痛、関節痛、筋肉痛など、全身症状が強いのが特徴です。

インフルエンザウイルスは、A・B・Cの3型に分けられていますが、このうち流行的な広がりをみせるのはA型とB型です。その中でも、Aソ連型とA香港型、B型の3種類のウイルスが現在の流行となっています。インフルエンザワクチンは、この3種類のウィルス株から作られますが、同じ型でもいくつかの種類があるので、流行状況を考え、どのウィルス株を使うかは毎年決定されています。今年のワクチンはAソ連型、A香港型は昨年と同じ株ですが、B型は昨年と異なった株が使われています。

インフルエンザの予防の基本は、流行前に予防接種を受けることです。特に高齢者や乳幼児、心臓や肺に慢性の病気を持っている人、糖尿病の人や免疫不全症の人などは、重症化を防ぐためにもワクチンによる予防が望ましいと思われます。また、これらの方と接する機会が多い方も「インフルエンザを感染させない」との観点からワクチン接種をお勧めします。

例年、インフルエンザは12月下旬から流行が始まり、1〜2月にかけてピークを迎え、3月上旬ごろまで流行します。ワクチンを接種してから効果が現れるまで約2週間程度かかり、その効果は約5ヶ月間持続すると言われていますので、12月中旬までには予防接種をすませましょう。昨年接種した方でも、ワクチンが十分な効果を持続する期間は約5ヶ月と短期間であり、またその年に流行するウィルスの型を予測してワクチンを製造していますので、毎年接種することをお勧めします。

昨年の予防接種法の改正で、インフルエンザワクチンが定期接種に加えられました。接種対象者は、65歳以上の人ですが、その他に、60〜65歳未満で心臓、じん臓、呼吸器に重い障害を持っていたり、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能の障害が重い人たちも、接種対象者となります。それ以外の方も、「任意接種」で接種を受けることができますので、かかりつけの医師に相談のうえ、流行期に間に合うようワクチンを接種することをお勧めします。