福岡県感染症発生動向調査情報

第1週分(平成14年12月30日〜平成15年1月5日)

インフルエンザ

今週第1週の感染症発生動向調査情報では、年末年始中で殆どの疾患の報告数が減少しているため、前週との比較は困難です。その中でもインフルエンザの報告は多く、前週分、今週分では脳炎・脳症の報告もあり、より一層の注意が必要です。一定点医療機関あたりの報告数は24.2(前週40.1)、地区別では、北九州が35.7(前週27.3)、福岡が18.6(前週43.7)、筑豊が22.9(前週21.3)、筑後が22.0(前週59.3)となっています。

冬休みで一旦下火になっていたかのように思われるインフルエンザの発生ですが、新学期の始まりと共に大流行する恐れがあります。そこで、今週はインフルエンザについてお話します。

現在、県内ではA香港、B型の2種の型のインフルエンザウイルスが検出されています。学校の発生からは主にA香港型のウイルスが検出されています。

インフルエンザの潜伏期は、1〜5日で多くは1〜2日と他のウイルス性の病気より短く、急に発病します。これはインフルエンザの流行が急速に拡大する原因の一つです。

インフルエンザが、通常のかぜと違っているのは、突然の高い熱(38〜39度)や、全身倦怠感(体のだるさ)、食欲不振、頭痛、関節痛、筋肉痛などの全身症状が早い時期にみられることが多いということです。また、鼻水、くしゃみ、鼻づまり、のどの痛み、咳、痰などのかぜ様の症状が同時に現れ、下痢、腹痛などが見られることもあります。

特に、小児や高齢者では、脳炎・脳症や肺炎等の合併症を起こし重症化することや死亡例がみられる事もあります。

インフルエンザを予防するためには、予防接種が有効です。その他には、過労や睡眠不足を避け、バランスのよい食事をとり、病気に対する抵抗力をつけることも大切な予防法です。

外出後のうがいと手洗いを実行し、インフルエンザウイルスは湿気に非常に弱いので、室内では、加湿器などを使って適度の湿度を保ちましょう。

インフルエンザは唾液の中にウィルスが含まれており、せきやくしゃみでしぶきが飛び散って周囲にうつります。あまりせきやくしゃみがひどいときは、登校や出勤を避け、自宅でゆっくり休みましょう。休養をとることは自分自身の体を守るだけでなく、他の人にもうつさないという意味でも重要なことです。

国が開設しているインフルエンザ相談ホットラインをご紹介します。
・開設時期:平成14年11月5日〜平成15年3月28日
・対応日時:月曜日〜金曜日(祝日除く)9:00〜17:00
・電話番号:03−5285−1231
・FAX:03−5285−1233
・E−mail:influenza@nih.go.jp