福岡県感染症発生動向調査情報

第2週分(平成15年1月6日〜平成15年1月12日)

インフルエンザ

今年第2週の感染症発生動向調査情報では、多くの疾患が連休での減少から2,3週間前のレベルに戻っています。インフルエンザの勢いは落ちず、成人の報告数も多くなっています。脳炎・脳症、熱性けいれん等の合併症の報告があっており、注意が必要です。一定点医療機関あたりの報告数は38.5(前週24.2)、地区別では、北九州が53.0(前週35.7)、福岡が37.0(前週18.6)、筑豊が27.8(前週22.9)、筑後が27.6(前週22.0)となっています。

そこで、今週もインフルエンザについてお話します。

福岡県内では、現時点でA香港型及びB型のウイルスが分離されています。この様に異なるウイルスが検出されたときには、1回かかっても、もう一つのウイルスに感染し、再びかかることがありますので、油断しないようにしましょう。

インフルエンザにかかったときに注意すべきことは、肺炎などの合併症の発生です。そのためには、単なる「かぜ」と思わずに、かかりつけの医師に早く相談するようにしましょう。

インフルエンザの治療は大きく分けて、安静・睡眠といった基本的な療養のほかに、抗ウイルス薬による治療、熱や咳などさまざまな症状を抑える対症療法があります。

治療の基本は、十分な安静と睡眠です。薬さえ飲めば、病気が治るといぅものではありません。まず、適当な温度(18〜20度)と湿度(60〜70%)を保った部屋で、分な安静と睡眠をとりましょう。高い熱がでるため脱水になりやすいので、十分な水分をとりましょう。また、水分・糖分・ビタミン類が多く、脂肪分は避けた消化しやすい十分なカロリーのある食事を摂取するように努めましょう。

抗ウイルス薬は、発症して48時間以内に使用しないと効果がありません。現在、インフルエンザA型に効く塩酸アマンタジン(商品名:シンメトレル)と、A型とB型の両方に効くザナミビル(商品名:リレンザ)及びリン酸オセルタミビル(商品名:タミフル)の3種類がありますが、耐性ウィルスの出現や副作用の問題などがあり、服用については注意が必要ですので、医師に十分相談しましょう。
 
対症療法としては、発熱に関しては38度を越える場合に解熱剤が使われることがありますが、解熱剤の中には、インフルエンザ脳炎・脳症の発症との関連から使用を見合わせた方がよいと厚生労働省が呼びかけているものがあります。自己判断で薬を飲んだりせず、医師の指示に従うようにしましょう。また、夜眠れないほどひどい咳がでる場合は、咳止めが、さらに、鼻水を抑える薬などが使われます。

やはり、インフルエンザは予防が大切で、十分な睡眠やバランスの良い食事をとり体力や抵抗力を落とさない生活をする、外出から帰ったらうがいや手洗いをするといった行動が基本となります。また受験生の方などは今からでも予防接種を受けることをお勧めします。