福岡県感染症発生動向調査情報

第3週分(平成15年1月13日〜平成15年1月19日)

インフルエンザ

今年第3週の感染症発生動向調査情報では、インフルエンザの報告数は多くみられますが、前週と同レベルの報告数です。一定点医療機関あたりの報告数は40.0(前週39.7)、地区別では、北九州が61.7(前週54.4)、福岡が35.9(前週38.4)、筑豊が29.4(前週38.6)、筑後が22.1(前週29.3)となっています。

今週もインフルエンザについてお話します。

普段健康な人は、軽症のうちに会社や学校を休むわけにはいかないという気持ちと重なって、高熱で苦しくなるまで病院に行かないことになりがちですが、ウイルスがのどや鼻の粘膜に広がり高熱が出てしまうと、かえって長期間、寝込むことになってしまうおそれがあります。早めに治療し、体を休めることは、自分のからだを守るだけでなく、他の人にインフルエンザをうつさないという意味でも大変重要なことです。

インフルエンザの症状がでたら、早めに医師の診断を受けましょう。発症から48時間以内であれば、インフルエンザウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬が処方されるようになりました。また、インフルエンザにかかったことにより、他の細菌にも感染しやすくなるため、このような細菌の混合感染による肺炎、気管支炎などの合併症に対する治療として抗生物質が使用されます。これらの薬については、インフルエンザの症状が出はじめてからの時間や体の状態により異なりますので、使用する、しないは医師の判断となります。

高熱に対して解熱剤を使用する場合がありますが、中にはインフルエンザに罹っているときは使用を避けなければならないものがありますので、自己判断での服用はやめましょう。

医療機関で処方された薬は、医師が患者さんの状態を診察して、その状態に合ったものを必要な量お渡しするものです。したがって別の人に処方された薬はもちろん、当人であっても別の受診時に処方されて使い残したものを使用することは避けるべきです。特に家庭に残っているものを、医師の指示なしに服用するのはやめましょう。

インフルエンザ予防法の代表は予防接種ですが、一般的な予防法としては、次のようなものが重要です。
@栄養と休養を十分に取って、抵抗力を高め感染しにくくする。
A人ごみを避け、病原体であるウイルスを寄せ付けないようにする。
B加湿器などで室内に適度(60〜70%)な湿度を保ち、ウイルスが乾燥した空気中を長時間漂うのを防ぐ。
C外出後の手洗いやうがいを励行する。

これらの感染予防の基本は、しているつもりでも、つい忘れがちになりやすいものですが、やはり流行期にこれらを続けることが大切です。