福岡県感染症発生動向調査情報

第5週分(平成15年1月27日〜2月2日)

エイズ

今年第5週の感染症発生動向調査情報では、インフルエンザの報告数は各地区とも2週連続で減少しています。一定点医療機関あたりの報告数は20.3(前週31.6)、地区別では、北九州が26.1(前週47.5)、福岡が17.8(前週28.4)、筑豊が23.7(前週31.0)、筑後が16.3(前週18.4)となっています。インフルエンザウィルスB型陽性報告数が増加しており、また今シーズンA型罹患後のB型感染事例の報告もあっています。今後B型の流行も懸念されますので、引き続き注意しましょう。

さて、今週は日本において増加が続いているエイズ(後天性免疫不全症候群)について、福岡県での発生の動向などを交えてお話しします。

福岡県においてはエイズ予防対策の一環として、県内におけるHIV感染者等の情報を年2回(1月と7月)公表しております。今回は平成14年7月〜12月末日までの福岡県分をとりまとめました。

前回、平成14年7月31日(平成14年1月〜6月末日分)の公表以後、半年間に新たに報告されたHIV感染者・患者数は感染者7名・患者0名、計7名です。前期分も合わせると、平成14年(1月〜12月)に報告のあったHIV感染者・患者数の合計は14名(感染者11名、患者3名)で、平成11年、13年の13名を上回る過去最高の報告数となっています。

平成14年に報告のあった感染者・患者の内訳は、性別で男性が13名、女性が1名となっており、感染経路別では同性間の性的接触が多くを占めています。

最近、性器クラミジア感染症をはじめとした性感染症が増加傾向にあり、性感染症に感染していると、HIVに3〜4倍感染しやすくなるといった報告もなされているため、HIV感染の増加につながるのではと危惧されています。

エイズを含めた性感染症は決して他人事ではなく、誰でも感染する可能性があります。そこで、感染を防ぐために日常の中できちんと予防をしていくことが大変重要になってきます。HIV感染の予防のためには、性行為のはじめからコンドームを使用する、不特定多数のパートナーとの性交渉を避けることが大切です。

保健所ではエイズの相談や検査を無料・匿名で受けられます。県内どこの保健所でも相談や検査が受けられますが、保健所によって曜日や時間帯が違うので、事前に電話で確認(予約が必要な場合がある)をしてから行くことをおすすめします。