福岡県感染症発生動向調査情報

第9週分(平成15年2月24日〜3月2日)

風しん

今年第9週の感染症発生動向調査情報では、インフルエンザの報告数は前週の横ばい傾向からやや増加しています。一定点医療機関あたりの報告数は17.2(前週15.4)、地区別では、北九州が14.9(前週11.7)、福岡が17.7(前週15.8)、筑豊が8.1(前週9.8)、筑後が24.0(前週22.6)となっています。これまでの流行の主体であったインフルエンザA型にかわり、インフルエンザB型陽性報告数が増加しており、また今シーズンA型罹患(りかん)後のB型感染事例の報告もあるため、注意が必要です。まだ、インフルエンザ流行発生警報は継続中です。引き続き、手洗いやうがいといった基本的予防法を続けましょう。また今週はA群溶レン菌咽頭炎、突発性発しんなどの報告数が増加しています。

今週は風しんについてお話しします。

風しんは風しんウイルスに感染して起こる病気で、3日はしかとも呼ばれています。3〜10年の不規則な間隔で流行するとされていて、主に3〜10歳ぐらいの子どもによく見られます。早春から初夏にかけて流行するため、これから注意が必要です。

風しんは、一度感染して免疫ができると、通常は再度発病することはないといわれていますが、注意が必要なのは、風しんに対する免疫(抗体)がない母親が、妊娠初期に感染すると子どもが先天性風しん症候群にかかることがあることです。

先天性風しん症候群では、子どもに白内障、心疾患、難聴などがみられます。成人女性で、感染したことがない方や予防接種を受けたことがない方、よく覚えていない方は、妊娠前にかかりつけの医療機関で風しん抗体検査を受けることをお勧めします。そして、抗体のない女性は、妊娠前に風しんの予防接種を受けましょう。風しんワクチン接種後は、通常2ヶ月間は避妊しなければいけませんので、医療機関に相談すると良いでしょう。抗体のない妊婦さんは、風しん患者と接触しないように注意してください。

また、子どもの場合には、幼児期から接種を受けることができますので早くから受けるようにしましょう。現在は平成6年の予防接種法の改正に基づき、風しんワクチンの接種対象年齢は12〜90ヶ月の小児となっています。ワクチンを受ける機会がなかった人(その時点で、すでに乳幼児期を経過し、かつ中学生に達していなかった方:昭和54年4月2日〜昭和62年10月1日までに生まれた方)は、経過措置として平成15年9月30日まで無料で受けることができます。市町村にお問い合わせのうえ、未接種の方は早めに接種を受けるようにしましょう。