福岡県感染症発生動向調査情報

第23週分(平成15年6月2日〜6月8日)

流行性角結膜炎

今年第23週の感染症発生動向調査情報では、咽頭結膜熱、手足口病、ヘルパンギーナ、流行性角結膜炎の報告数が増加しています。

そこで今週は、流行性角結膜炎についてお話しします。

この病気はアデノウイルスの感染によって起こる症状の激しい結膜炎で、俗に「はやり目」と呼ばれています。アデノウイルスにもいろいろなタイプがあり、かぜのような症状を起こすものや、気管支炎や咽頭炎を起こすもの、乳幼児の下痢を起こすものなどがあります。

流行性角結膜炎の潜伏期は、1〜2週間程度で、急に結膜が充血し、結膜炎が起こり、その後、角膜炎が起こります。まぶたや眼の周りが腫れたり、痛みやまぶしさ、眼がかすむ、耳のあたりのリンパ節が腫れるなどの症状も見られます。また、同時に発熱(軽度)や、頭痛、食欲不振などがみられることがあります。

結膜炎は多くの場合、2〜4週間程度でよくなります。しかし、角膜に炎症がすすんで、角膜の混濁によるかすみ眼が続いたりすることがあります。

流行性角結膜炎は感染力が強い病気で、眼から出る分泌物に直接触れたり、それがついた器具を介して感染が広がります。感染を広げないためには、患者さんの目から出る分泌物や、それがついた器具などに触れないように気をつけることです。そのために、患者さんは、自分の専用のタオルを使い、眼をふいたテイッシュペーパーなどは袋に集めて焼却するようにしましょう。患者さんや、そのお世話などをした人は、分泌物などに触れた可能性がある場合は、流水を使い石けんなども用いて、十分手洗いをしておくことが大切です。また、この病気が治るまでは、保育園や学校などの集団生活は避けたほうがいいでしょう。