福岡県感染症発生動向調査情報

第30週分(平成15年7月21日〜7月27日)

エイズ

今年第30週の感染症発生動向調査情報では、咽頭結膜熱、ヘルパンギーナ、手足口病の報告数がいずれも減少しています。

さて、今週は日本において増加が続いているエイズ(後天性免疫不全症候群)について、福岡県での発生の動向などを交えてお話しします。

福岡県においてはエイズ予防対策の一環として、県内におけるHIV感染者等の情報を年2回(1月と7月)公表しております。今回は平成15年1月〜6月末日までの福岡県分をとりまとめました。

前回、平成15年1月31日(平成14年6月〜12月末日分)の公表以後、半年間に新たに報告されたHIV感染者・患者数は感染者2名・患者3名、計5名です。これで、福岡県においては、今年6月末現在までに報告された数(累計)は、感染者70名、患者33名となりました。

今回報告のあった感染者・患者の内訳は、性別で男性が5名、女性が0名となっており、感染経路別では異性間の性的接触が多くを占めています。全国的にも特に日本人男性の増加が著しい傾向を示しています。

最近、性器クラミジア感染症をはじめとした性感染症が増加傾向にあり、性感染症に感染していると、HIVに3〜4倍感染しやすくなるといった報告もなされているため、HIV感染の増加につながるのではと危惧されています。

エイズを含めた性感染症は決して他人事ではなく、誰でも感染する可能性があります。そこで、感染を防ぐために日常の中できちんと予防をしていくことが大変重要になってきます。HIV感染の予防のためには、性行為のはじめからコンドームを使用する、不特定多数のパートナーとの性交渉を避けることが大切です。

保健所ではエイズの相談や検査を無料・匿名で受けられます。県内どこの保健所でも相談や検査が受けられますが、保健所によって曜日や時間帯が違うので、事前に電話で確認(予約が必要な場合がある)をしてから行くことをおすすめします。