福岡県感染症発生動向調査情報

第33週分(平成15年8月11日〜8月17日)

日本脳炎

今年第33週の感染症発生動向調査情報では、お盆の影響で、ほとんどの疾患の報告数が減少しています。特に、ヘルパンギーナ、手足口病の報告数が大きく減少しています。

今週は日本脳炎についてお話しします。

日本脳炎は日本脳炎ウイルスによる感染症で、ヒトは、豚などからウイルスを受け取った蚊に刺されることで感染します。西日本に多く、蚊の発生時期である夏から秋にかけて流行します。最近は予防接種の普及もあり、全国的に患者は減少しています。

潜伏期は約1〜2週間で、突然40度以上の高熱で始まり、激しい頭痛、めまい、意識障害、けいれん発作、昏睡といった症状が7〜10日ほど続きます。

感染した人のうち90%は無症状ですが、幼・小児や高齢者は発病しやすく、急性脳炎を発症すると、約3分の1は完全に治りますが、回復後も後遺症を残すものが多く高齢者では死亡するものも多いとされています。

感染予防のためには、病気に対する抵抗力が低下しないように日頃からの健康づくりが必要ですが、蚊の対策や予防接種も大切な予防手段です。

定期の予防接種は、標準的には第1期として初年度に1〜4週間間隔で2回、さらに1年後に1回の計3回の接種をし、基礎免疫をつけます。第1期は通常3〜4歳で行われますが、生後6〜90ヶ月までの間は接種できます。

その後第2期として9歳〜13歳未満に、第3期として14・15歳にそれぞれ1回追加接種をします。

小児期の予防接種だけでなく、東南アジアなどの流行地域に旅行や仕事で行く人でこれまで予防接種を受けていない場合は、早めに予防接種を受けましょう。