福岡県感染症発生動向調査情報

第36週分(平成15年9月1日〜9月7日)

熱中症

今年第36週の感染症発生動向調査情報では、全体的に変動は少ないですが、福岡地区で麻しんの報告数が増加しています。

毎日暑い日が続いています。最近新聞等では熱中症の記事をよく目にします。そこで、今週は熱中症についてお話しします。

熱中症は、一般的に高温環境下で体温の調節障害が起き、全身倦怠、脱力感、激しいのどの渇き、頭痛、発熱、おう吐、めまい、けいれん、意識障害などの症状がみられ、重症の場合は死亡の危険もある状態をいいます。

年長児ではスポーツの試合などの運動中、乳幼児では冷房を切って窓を閉め切った車内に長時間放置された場合などに多くみられます。

ヒトは、水分の摂取と排せつにより、体内の水分バランスを保っていますが、汗などで体外へ出ていく量は通常でも1日の排泄量の約40%にも達します。夏場は特に増えるため、飲料水を十分に補給しないと、バランスが崩れ熱中症の引き金となります。なお、多量の発汗に対し水分のみを摂取すると、電解質が不足して、けいれんが起こりやすくなります。汗をかいたときは、冷たい食塩水、あるいはスポーツドリンクなどを飲みましょう。

また、体温が40℃以上に上昇したり、意識障害、けいれん、呼吸困難、汗がでない、皮膚が乾燥し赤みを帯びて熱感があるなどの症状がでたりした場合は重症です。すぐに医療機関に連れていきましょう。

予防のためには、以下のことに注意しましょう。
(1)暑い季節の運動や作業は、なるべく涼しい時間帯に行い、長時間にわたる場合には、こまめに休憩をとる。
(2)こまめに水分や塩分を補給する。
(3)軽装にして、素材も吸湿性や通気性のよいものを選び、直射日光は帽子で避ける。
(4)肥満など暑さに弱い人は特に注意する。