福岡県感染症発生動向調査情報

第40週分(平成15年9月29日〜10月5日)

インフルエンザの予防接種

今年第40週の感染症発生動向調査情報では、A群溶血レンサ球菌咽頭炎や感染性胃腸炎の報告数が増加しています。手足口病は流行が長く続いています。

さて、今週はインフルエンザの予防接種についてお話しします。

インフルエンザはインフルエンザウイルスによって起こる呼吸器感染症で、冬から春にかけて流行し、高熱や頭痛、関節痛、筋肉痛など、全身症状が強いのが特徴です。

インフルエンザウイルスは、A・B・Cの3型に分けられていますが、このうち流行的な広がりをみせるのはA型とB型です。その中でも、Aソ連型とA香港型、B型の3種類のウイルスが現在の流行となっています。インフルエンザワクチンは、この3種類のウイルス株から作られますが、同じ型でもいくつかの種類があるので、流行状況を考え、どのウイルス株を使うかは毎年決定されています。今年のワクチンはAソ連型、A香港型、B型とも昨年と同じ株です。

インフルエンザの予防の基本は、流行前に予防接種を受けることです。特に高齢者や乳幼児、心臓や肺に慢性の病気を持っている人、糖尿病の人や免疫不全症の人などは、重症化を防ぐためにもワクチンによる予防が望ましいと思われます。また、これらの方と接する機会が多い方も「インフルエンザを感染させない」との観点からワクチン接種をお勧めします。

例年、インフルエンザは12月下旬から流行が始まり、1〜2月にかけてピークを迎え、3月上旬ごろまで流行します。ワクチンを接種してから効果が現れるまで約2週間程度かかり、その効果は約5ヶ月間持続すると言われていますので、遅くとも12月中旬までには予防接種をすませましょう。昨年接種した方でも、ワクチンが十分な効果を持続する期間は約5ヶ月と短期間であり、またその年に流行するウィルスの型を予測してワクチンを製造していますので、毎年接種することをお勧めします。

接種回数については、65歳以上の高齢者に対しては1回の接種でも十分効果があるとする研究結果が最近得られており、1回接種でよいと考えられます。13歳以上64歳以下の方でも、近年確実にインフルエンザに罹患していたり、昨年インフルエンザの予防接種を受けている方は、1回接種でも追加免疫による十分な効果が得られる方もあると考えられます。なお、13歳未満の方については、2回接種が推奨されています。かかりつけの医師に相談のうえ、流行期に間に合うよう接種しましょう。