福岡県感染症発生動向調査情報

第41週分(平成15年10月6日〜10月12日)

日常の感染予防

今年第41週の感染症発生動向調査情報では、A群溶血レンサ球菌咽頭炎や水痘の報告数が増加しています。また咽頭結膜熱、ヘルパンギーナの報告数は減少しています。

さて、秋から冬にかけて流行する感染症には、感染性胃腸炎、インフルエンザ、A群溶連菌感染症などがあります。いずれの感染症も、予防のためには患者との濃厚な接触を避け、「手洗い」と「うがい」を習慣にすることが効果的です。そこで今週は手洗いとうがいについてお話しします。

人間が生活する環境にはさまざまな微生物が住んでいます。「手洗い」「うがい」が感染症予防のために大事だといわれるのは、病気を起こす微生物(病原体)を私たちの体の中に持ち込まないようにするためです。多くの病原体は、のどや胃腸の粘膜、目や鼻の粘膜から私たちの体に侵入します。手はいろいろなものに触るので、病原体が付きやすく、それが私たちの体の中に入るもとになるのです。病原体の付いた手で目や鼻を触ったり、料理をする、ものを食べるなどすると病原体の侵入を許してしまうことになります。ただ手を洗うのではなく、病原体を取り除くことを意識して手を洗いましょう。

効果的な手洗いのためには、石鹸をよく泡立て、爪の隙間や指と指の間、手の甲までよくもみ洗いをします。指輪は外すか、ずらして洗いましょう。調理をする人は、用便の後や調理前には丁寧に洗ってください。吐物や排泄物の処理をした後の手洗いも大事です。また、手を拭くタオルは共用しないようにしましょう。

のども外の空気に直接触れるので、さまざまな微生物が付着します。多くの人が集まる空間には空気中にばらまかれたウイルスなどが漂っており、それを吸い込んでしまうと感染する可能性があります。このために、外出から帰った後のうがいが感染症予防のために大事です。

1回のうがいに必要な水の量は、60mlで(コップの3分の1程度)です。うがい液としては、水道水やぬるま湯またはうがい薬を使います。

まず、口の中の食べかすなどを洗い流すために、うがい液を口に含んで少し強めにうがいをします。2回目と3回目は、上を向いてうがい液がのどまで届くようにうがいをします。このとき、大切なことは15秒ほど時間をかけることです。

冬だけでなく、1年を通して感染症の予防に「手洗い」「うがい」は有効ですので、日頃から習慣づけるようにしましょう。