福岡県感染症発生動向調査情報

第47週分(平成15年11月17日〜11月23日)

性器クラミジア感染症

今年第47週の感染症発生動向調査情報では、感染性胃腸炎と水痘の報告数が急速に増加しています。

さて、昨日12月1日は世界エイズデーでした。例年この前後には、様々なところで「エイズ」や「性感染症」の事がとりあげられます。そこで、今週は性感染症の中でも報告数の多い性器クラミジア感染症についてお話しします。

性器クラミジア感染症はクラミジア・トラコマチスという病原体の感染によって引き起こされる病気です。

症状としては、女性の場合は子宮頸管炎が起こると、下腹部の痛みや帯下(おりもの)の増加などが見られますが、症状が軽く気がつかないこともあります。男性の場合は尿道炎が起こると、性器からの分泌物の増加や排尿時の痛みなどがあります。

現在問題となっているのは、症状がなく感染している場合で、他の性感染症より症状が軽いため、気がつかないうちに感染していたり、逆に感染源となっているおそれがあり、また、いったん治っても、性パートナーと感染を繰り返す(ピンポン感染と呼ばれます)という特徴があります。

治療には抗生物質などが有効ですが、慢性的に感染が続く場合、女性では骨盤の中に炎症が広がり(骨盤腹膜炎)、卵管などの癒着によって、不妊症や子宮外妊娠を起こすことがあります。また、出産時に新生児の結膜炎や肺炎を起こす場合もあります。

性感染症はコンドームを正しく使用することで予防できます。大切なことは、誰でも感染する可能性があることを理解し、自らが感染予防のための行動をとることです。

保健所では性感染症の相談やエイズの検査が無料で受けられます(一部の保健所では梅毒やクラミジアの検査も行っています)。県内どこの保健所でも相談や検査が受けられますが、保健所によって曜日や時間帯が違うので、事前に電話で確認(予約が必要な場合がある)をして行くことをおすすめします。